激戦AレースはBS勢がトップ3を独占【TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017第3戦クラブマンシリーズ】


エントリー台数は90台の激戦区
フルグリッドで2レース制で開催

2017年6月4日に静岡県の富士スピードウェイで開催されたトヨタ86&スバルBRZのワンメイクレース「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017」第3戦。アマチュアドライバーが参加するクラブマンシリーズは、90台ものエントリーがあった。A/Bクラスに分けられたが、ともに超激戦。その頂点はブリヂストンタイヤを装着する3台が独占した!

45台が富士スピードウェイのフルグリッドなので、それ以上の台数でレースをスタートすることばできない。しかし、「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race第3戦」クラブマンシリーズのエントリー数は、なんと90台に達した。
プロドライバーが参戦するプロフェッショナルシリーズであれば予選46位以下は予選落ちとなるが、クラブマンシリーズでは決勝Bレースという形で救済される。上位と同じレースフォーマットに参加することができるわけだ。
ただ91台となると、それでも吸収することはできず、さらに決勝Cレースが設定されることになる。なんと3つのレースが開催されることになるのだ。
しかもパドックで耳にしたところによると、今回のレースでは、通常なら許容されることが多いエントリー申し込み期限を過ぎたものに関して、受付を断られたようだ。90台というピッタリの数字には、そういう側面もあるのかもしれない。

果たして9月の富士では90台を超えるのか?? そして富士とともに大量のエントリーとなる鈴鹿サーキットはフルグリッドが40台なので、80台を超えると3レースになる。ちなみに2016年は74台だった。

しかし、ただ単にエントリーが多いだけのレースではない。クラブマンシリーズでは、激しいドライバーたちのバトルだけでなく、前期と後期の対決、ブリヂストンとヨコハマタイヤの対決、と興味深い要素が存在する。

開幕戦ではトヨタ86&スバルBRZ前期型が勝利し、第2戦では後期型が勝った。
とはいえ開幕戦では2位から6位まで、第2戦では1位から4位までが後期型であり、やはり7psのパワーと4.300ファイナルの効果が高いように見えなくもない。しかし上位を走るドライバーの多くが後期型に乗っている傾向は明らかで、現時点ではマシンの差そのものはタイヤのパフォーマンスの差ほど大きくはないのだろう。ただし、これは後期の熟成が進んでいない今の状況である。

ちなみに#600小野田貴俊選手は、開幕戦は前期型で優勝、第2戦では後期型でポールポジションを獲得したが、今回は同じチームでプロフェッショナルシリーズに出場した坪井翔選手が後期型を使用するため、前期型での出場となった。

そのタイヤについていえば、ヨコハマタイヤの意外な苦戦が見られる。
2016年の十勝スピードウェイで登場したアドバンA-052は、プロフェッショナルシリーズで使われているアドバンA08Bとほぼ見分けが付かない。その前評判は高かったが結果に結びついてはいない。
圧倒的なパフォーマンスを見せてきたブリヂストン・ポテンザRE-71Rに対して、いわば後出しジャンケンだから、高性能になって当然。しかし開幕戦でやっとクラブマンシリーズ初勝利を上げたものの、第2戦ではレース後半にタイムが大幅に落ち込むなど、イマイチ精彩を欠く。

レースでの戦略とペースを大きく左右するタイヤの内圧(空気圧)管理について、まだデータが不十分なのかもしれない。そうなると、これから徐々にヨコハマタイヤが上位を占めるようになっていくのだろうか?? それとも違った問題点があるのだろうか??

45台ずつ2組に分けて行われた予選
大きなハプニングが待っていた。

予選1組では、スーパーGTやスーパー耐久などで活躍する松井孝允選手の弟で、86/BRZレース初参戦#130松井宏太選手(YH)が2分07秒368でトップタイムをマーク。
それを前日のプラクティスで唯一2分06秒台をマークしていた#38神谷裕幸選手(YH)が2回目のアタックで上回り、さらに3回目のアタックでは2分07秒183までタイムを縮めた。しかし#771菱井將文選手(BS)が2分07秒111で上回り、予選1組のトップとなった。

そして予選2組、#126庄司雄磨選手(BS)が2分07秒359。なかなか7秒台に入るタイムが出ない中、#600小野田貴俊選手(YH)が2分06秒745というコースレコードでトップに立つ。#84橋本洋平選手(BS)が予選終盤にアタックするも2分07秒266で届かなかった。

しかし予選終了後、小野田貴俊選手がアタックラップでランオフエリア走行、4つのタイヤともに縁石の向こう側を通ってしまったヨンダツが判明し、タイムは抹消されてしまった。
小野田貴俊選手は1アタックしかしていなかったため、2分39秒299というピットへ戻る時のタイムしか記録していなかった。結果として予選最下位となり、決勝Bレースの最後尾からのスタートとなった。

最終的な予選結果は、菱井將文選手がポールポジションとなり、予選1組が奇数グリッドで3番グリッドが神谷裕幸選手、5番グリッドが松井宏太選手。予選2組が偶数グリッドで2番グリッドが橋本洋平選手、4番グリッドが庄司雄磨選手、6番グリッドが#758岩本佳之選手(YH)となった。

決勝Bレース、最後尾スタートのはずの小野田貴俊選手は、あえてピットスタートを選択。しかもピットレーンがオープンになってもすぐにはスタートせず、前方の選手との間にスペースを作ってからコースイン。そして2周目、2分06秒538のコースレコードをマークしてレースを終えた。

優勝候補の脱落でさらに混戦化したAレース

優勝候補の一角である小野田貴俊選手を欠いた決勝Aレースでは、最初から神谷裕幸選手のブレーキトラブルが発生。ABSが作動せず、1コーナーやダンロップコーナーで激しく白煙を上げオープニングラップで4位にまでポジションを落す。その後もズルズルと順位を下げ、結局9位でチェッカーフラッグを受けた。

菱井將文選手と橋本洋平選手の一騎討ちになるかと思われたが、庄司雄磨選手が近づき2位争いへ。
その隙に菱井將文選手は少しずつギャップを拡げていく。ペースが明らかに速い庄司雄磨選手は4周目に2位へ上がり、菱井將文選手とのギャップを一気に詰める。そして6周目の最終コーナー、ズバッとインに飛び込んでトップに立った。

橋本洋平選手も7周目の最終コーナーで、まるでリプレイVTRかと思うような形で菱井將文選手を差し、2位へ。しかしレースペースが苦しく、庄司雄磨選手に迫ることができない。
そのままの順位でチェッカーフラッグが振られた。4位には初参戦の松井宏太選手、5位には小野田貴俊選手の門下生である#16大久保仁選手(YH)が入った。


庄司雄磨選手は86/BRZレース初優勝。今シーズン初めてブリヂストンが表彰台を独占することになった。ここまで3戦、すべて勝者が変わり、またヨコハマタイヤも精彩を欠く。シーズンの勢力図はいまだにハッキリしない。それだけにクラブマンシリーズはさらに白熱し、面白いレースが展開されていくことだろう。