【車両総重量1.1倍以下ルール】「社外ブレーキの取り付けができなくなる」は本当なのか


10月1日から適用される車検基準
「車両総重量1.1倍以下ルール」とは!?

10月1日より車検の基準が変わり、社外のブレーキキャリパーやローターを装着したクルマは、車重が1kgでも増えるとアウトになるという噂がある。
いわゆる「車両総重量1.1倍以下ルール」というものだ。
これに関しては、様々な憶測が飛んでいるので、自動車検査における保安基準適合性審査を担当する、”独立行政法人自動車技術総合機構”に問い合わせてみた。車両総重量1.1倍以下ルール 車検

まず、今回の「架装等により車両重量が増加した乗用自動車等の審査」という規定は、規制を強化するためのものではないということだ。
担当者いわく、「今まで問題なく継続検査をクリアしていたクルマが、10月1日以降、不合格になるというものではない」とのこと。
要点を整理して説明すると、架装=カスタムやチューニング、ドレスアップをした結果、クルマの重量が増えた場合、ブレーキの負担が大きくなり、重くなった分、制動距離が延びることになる。ゆえに、車重が増えた場合、ブレーキの容量が足りているかどうか、しっかりと検討することが必要。
ただ、これまで集めたデータなどから、車両総重量の1.1倍以内なら、純正ブレーキでも問題はないといえるので、車両総重量の「1.1倍」までの重量増は、無条件でOKとする、「保安基準の適合例」として明記しただけとのことだ。車両総重量1.1倍以下ルール 車検

つまり、例えばスポーツカーで、ブレーキキャリパーやローターをハイスペックのものに交換しても、従来通りの扱いで、仮にロールケージやオーディオ類を入れて、10kg、20kg重量が増えたとしても、車検に通らないというわけではないので安心して欲しい。
また、現実問題として、通常、車検場では継続審査のときに「車両総重量」を測定していない。そもそも、一般的にクルマの重さとは、「車両重量」のことで、この「車両重量」と、ここで問題になっている「車両総重量」は同じではない。
「車両重量」は、空車状態の車両の重量と定義されていて、クルマに燃料、エンジンオイル、冷却水などの運行に必要な装備を積んだ状態で測定した重量のこと。
「車両総重量」は、この車両重量に「乗車定員数×55kg」を加算した数字になる(乗用車の場合)。
具体的には、GRS182クラウンの場合、車両重量は1600kg、車両総重量は1875kg。1875kgの1.1倍は、2062.kgなので、187.5kgまでの重量増は、基本的にお咎めなしということだ。車両総重量1.1倍以下ルール 車検
そもそも200kg以上もクルマが重くなるというのは、通常のチューニング&カスタムでは考えられない。
強いて言えば、架装したキャンピングカーは、もっと重たくなっているケースも。そこまで大がかりな改造をして、重量も大幅に増加しているようなクルマは、車検以前に重量変更(普通車なら100kg以上、軽自動車・小型車なら50kg以上)として、記載変更手続きをしておかないと違法改造になる。
すなわち、大掛かりな架装をしていて、見るからに重くなっているようなクルマは、車検場で重量を計測される可能性はおおいに考えられるのだ。車両総重量1.1倍以下ルール 車検

それ以外のクルマに関しては、基本的に10月1日以降も、とくに車検がシビアになるというわけではなさそうなので、いまのところとくに慌てる必要はないだろう。

(レポート:藤田竜太)