ヨーロッパの駐車ルールは日本人感覚では「停め放題」だった

ヨーロッパの駐車ルールは日本人感覚では「停め放題」だった

夜間の駐車は比較的に緩い欧州、
ホテルの駐車場が路上というケースも

前回は海外の『速度制限事情』を紹介したが、今回はドライバーにとってはもう一つの永遠のテーマ「駐車事情」について。
都市部で駐車場探しに苦労するのは、洋の東西を問わない。ただし、ヨーロッパの多くの国/都市では、市街地の主要道路においては広めの路側帯が整備されており、特に夜間に関しては規制もおおらかで、”一晩停めっ放しでも問題ない”場所が多いように見受けられた。
大体、夜の6時から朝の8時までは歩道に沿って駐車が可能となっているようだが、フランスのシャンゼリゼでも、イタリアはトリノにある幹線道路から一本入ったフィアット歴史博物館前の通りでも、あるいはドイツを代表するサッカー・スタジアム(旧名:ゴットリープ・ダイムラー・シュタディオン)の間の通りも、広い路側帯が整備されていた。

2015年、レトロモビルの取材でパリに行った際に撮影。
パリの目抜き通り、シャンゼリゼでも広い路側帯が整備されているから、駐車スペースを見つけるのは簡単。賑やかなエリアでは空いたスペースを見つけるのは至難の業だから、そういう場合には少し離れたポイントに駐車し、歩いて目的地に向かうことをオススメする。
ちなみにパリの街並みに似合うルノー「トゥインゴIII」はまだ日本導入前でした。

 

こちらはイタリアはトリノで、表通りから一歩入った閑静なエリアにあるフィアット歴史博物館の前の通り。道幅は広くはないが、青い線で両サイドに駐車可能な路側帯が整備されている。
これも2015年の冬にレトロモビルからトリノで開催されたアウト・モト・レトロへと連チャンで取材した際のカット。トゥインゴIIIからプジョー308へと広報車(自動車メーカーがマスコミに貸し出す撮影&試乗用車両)をチェンジ。寒すぎたけどクルマ好きには堪らない取材だった。

 

さて、これらのポイントに夜間、クルマを停めて置く機会はなかったから「果たして本当にそうなの?」と聞かれると「多分!」と答えるしかないのだが、ベルギーの首都ブラッセルではホテル前の通りに一晩停めっ放しにした経験があって、ここは本当に大丈夫だった。

取材時に泊まるホテルと言えば格安ホテル。時には例外もあって宿泊代がリーズナブルな中〜高級ホテルに泊まることもあるのだが、それはさておき、田舎でなく大きな街の市街にあるホテルに泊まる際などは、まずは駐車場があるかどうかがホテルを判断する基準の一つになる。
もちろん宿泊費が安いことも必須項目であることは言うまでもない。それで、安ホテルの案内に駐車場完備となっていたから安心して予約。チェックインで「クルマはどこに停めればいい?」と聞いたら「ホテルの前の通りが駐車場だ!」とフロントで頼もしいお言葉を頂戴したこともある。
でも通りが駐車場でいいのか!?

これも2015年の冬。アウト・モト・レトロの取材を終えて一路北に向かい、ベルギーやオランダの自動車博物館をハシゴした時にベルギーはブラッセルで撮影したもの。
ホテル前はトラムも行き交う大通りだが、ここも広い路側帯が整備され、夜はフリー・パーキング状態に。ちなみにトゥインゴIIIから308に乗り換え、最後はシトロエンのC4カクタスをドライブすることになった。

 

一方で、昼間は規制が厳しい。それでも東京都内に比べると、彼の地では路上駐車が認められている場所も多く見かけることができた(あくまでも肌感覚として)。

その多くは、国内でも見かけるパーキングメーターにお金を支払って、出てきたレシートをウインドウ内側に示して置くパターン。国内では一律300円で1時間の駐車が可能になるのに対して、駐車する時間によって料金はまちまちだ。5ユーロ(日本円で約650円)を払えば朝から夕方まで停めっ放しでOK、という所が多かった。
いずれにしても路上(路側帯)駐車が許されている場所は、殆どクルマで埋め尽くされている。駐停車禁止の標識に矢印が加えられ、ここまでは駐車OKとなったら、そのポイントのギリギリまで停めているケースがほとんどだ。

クルマの停まっていないところは、イコール”駐車してはいけない場所”ということだろう。

こちらも2015年の冬。レトロモビルとアウト・モト・レトロのインターバルに、ドイツへと脚を伸ばしてダイムラー博物館を取材した際のカット。通りの向こう側はメルセデス・ベンツ・アレーナ。個人的にはゴットリープ・ダイムラー・シュタディオン、って方が、響きがいい気がするが…。
小さくて分かりにくいが、道路の反対側、クサラ・ピカソ後方にある標識に注意。ここから駐停車禁止を示す矢印が追加されているのがお分かりだろうか。

空いている駐車スペースを探していて、あっ、あった!と喜ぶのは早計。矢印付きの標識から、ここより前の部分は駐停車禁止であることが分かる。
先頭に停まっているメルセデス・ベンツ207Dのダッシュボードには駐車の際の時間表示板が見える。ドライバーの目前に置かれた分厚い道路地図帳にも注目。昔、あれに憧れてたなぁ。

 

また、それ以外にも面白いケースがあった。

これは街中の広場に設けられた駐車場で、例えば無料だが3時間までしか停めることができない駐車場に駐車する際には「何時まで停めますよ」と意思表示するためのグッズを利用するのだ。
グッズと言っても1時から24時までを示す数字が印刷された円盤で、例えば午前8時から駐車するのだったら3時間後の11(時)に針を合わせてダッシュボードの上に置くというもの。6月にミュンヘンをスタートし、チェコからスロバキア、ポーランドを回った際は、レンタカーのグラブボックス内に用意されていたし、マイバッハ自動車博物館の受付で駐車場の場所を尋ねた際には、場所を教えてくれるとともにオリジナルを手渡してくれた。

撮影を終えて駐車場に戻ってきた時、そのままグラブボックスに放り込んで次の目的地に向けて出発したのだが、今になって「あれは売り物だったんじゃないかなぁ」と少し心配している。
それはともかく、日本国内の都市部はクルマの台数密度と言うのか、面積とか道路の距離数の割にそのエリアにいるクルマの台数が半端なく多いから、難しいとは分かっているけれど、やはり余裕ある駐車事情は羨ましい限りだ。

チェコはコプジヴニツェにあるタトラ技術博物館を訪れた際に、レンタカーのグラブボックスに入っていた駐車の際の時間表示板を使ってみた。
午前8時過ぎに到着。3時間と言うことで午前11時を示す11の文字を針に合わせてダッシュボードに置き、近くのカフェで朝ごはんを食べながら午前9時の開館を待つことにしたのだ。

 

これがパーキングメーター・システム(と言っていいのか?)の駐車料金支払い機。駐車する(予定の)時間の長さに合わせて料金を支払えば、支払った時刻と金額、そして駐車可能な時間帯(駐車の終了時刻)が印字された領収書が出てくる。その領収書を外から見えるようにダッシュボードの上に置くのは日本のシステムとまったく同様だが、比較的安価に、そして駐車時間が選べるのが嬉しい。今年6月にミュンヘン市内で撮影したもの。