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2000万円越えもザラ・・・・・・高い or 安い? 旧車のレストアっていくらかかるの?

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TEXT: 近藤曉史  PHOTO: Auto Messe Web編集部

上はやりだすと天井知らずというのが正解

 旧車に興味がある人からよく聞かれるのが、レストアってどれぐらいかかるのか? ということ。またレストアしたり、レストア途中の人からは、業者から示された料金が適正なのかという相談も受ける。レストア済み中古車もしかりだ。

 確かに、レストアというのは実態がない、作業に対して発生する費用が中心だけに、不安になるのだろう。また、ネットでは「騙された」「インチキ」「結局、なにもしてなかった」など、トラブルもよく目にする。

 そこで、レストア費用について考えてみると、上はやりだすと天井知らずというのが正解。もちろん限度はあるが、フルで考えると、クルマを1台作り直すことになるわけで、数千万というのも当たり前だろう。新車で考える、軽自動車だって、新品パーツを組んで大量生産しても200万円弱。職人さんがボロボロになったパーツなどをひとつひとつに新品同様にしたり、絶版になったパーツを復刻したり。またストックしているところから高値で分けてもらったりすれば、安くはないのはわかるだろう。

 そもそも職人さんも遊びでやっているわけではなくて、仕事としてレストアをしている。一般的に整備の仕事は、レバーレートと呼ばれる1時間あたりの工賃が決められていて、かかった時間をかけて算出する。だいたい、安いところで8000円で、最近では1万円が多いだろうか。もちろん1時間あたりだ。

 レストアの場合、短くて1年、長いと3年かかったりするのもザラ。かかりっきりでなくて、週30時間やったとして、月に120時間。100時間としても、1年間続けると1200時間で、時間工賃1万円とすると、1200万円なりだ。手間賃だけでこれで、部品代や材料代もかかるので、そうなると2000万円超えもありだろう。

 そもそもそこまで時間がかからない内容だとして、半年で終わる内容でも600万円となるから、結局、極端に安くはならない。でも、相談を受けると200万円でバッチリやると言われましたなどというのがほとんどなのだが、正攻法では土台無理なのだ。中古車にしても、200万〜300万円でフルレスト済みになるわけない(前のオーナーがやっていれば別)。

 それに所詮は他人のクルマでそこに愛着なんていうものがないのは、きつい言い方だが事実だし、業者は仕事としてやっているので愛着をもってやるのもおかしい。せいぜい、愛着をもってくれるのは、センパイのやっている板金塗装屋さんだろう。あとは自分でやるかだ。

 とはいえ、レストアをしなくてはならない場合もあるだろう。クルマにもよるが、1960年代から1970年代のクルマをレストアする場合で、200万円に抑えたいとすると、優先するメニューを確定させるのが先決。さらにかかりっきりで一気にやってしまうか、それとも儲けが出る新車の板金塗装を優先して、その合間にレストアしてもらうかなども決めておくといいだろう。さらにディスカウントをお願いするときのポイントとして、可能な限り手伝うとかはあるにはある。

 また予算に関わらず、トラブルを防ぐためには、写真を撮っておいてもらったり、定期的に顔を出して、作業の内容や進行具合を確認するようにするといい。それでもごまかす業者はいるが、なにもしないともっと悲惨なことになる。

 最後に、レストアというのは結局、予算がある人がやるもの。もっといってしまえば、旧車趣味というのは、お金に余裕がある人のもの。今まで、予算がなくて、結局土に帰ってしまったクルマたちを何台見たことか。きつい言い方だけど、予算カツカツで旧車をもつのは、オーナーにとっても、クルマにとっても悲惨なことになるだけなのだ。

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