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排気ガスがゼロならば家の中で乗降可能!高齢化社会で注目されている電動車

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: 赤松孝/Auto Messe Web編集部

家や施設に近づく際に排ガスを出さず近寄れる

 クルマの電動化は、福祉車両に向いている。なぜなら、排ガスゼロであり、かつ加減速が滑らかで、速度の微調整が効きやすいからだ。

 福祉車両と一言でいっても、車椅子を載せられるような仕様の中にも、個人向けや介護施設など事業者向けがあり、また、座席が車体の外へせり出して乗降を助けるものなど、さまざまある。

 それらにとって、いずれも適切と思えるのが電動化だ。体の不自由な人や高齢者は、クルマで外出したくても、クルマが止めてある場所まで出て行くことさえ難儀することがある。逆に、クルマが玄関先など含め、利用者により近づいてゆくことができれば、出かけやすくなる。

 電気自動車(EV)をはじめ、プラグインハイブリッド車(PHEV)やハイブリッド車(HV)など、モーターのみで走行できる車両であれば、家や施設に近づく際に排ガスを出さず近寄れる。EVはもちろん、PHEVや、HVのなかでも日産のe-powerのようなシリーズ式ハイブリッドでは、比較的長い距離をモーターのみで走行できるため、そうした利用がより現実的になる。

 さらにより大胆な発想を加えれば、建物の中まで車両を入れて人に近づけることさえ将来的には可能性を持つ。もちろん建物側の迎え入れの構造が不可欠だが、現在、福祉の現場では、風雨や気温の影響など天候次第で、クルマに乗るまでに体が濡れたり寒かったりして利用者の体調に負担を及ぼす例がみられる。そうした場合も、建物の中に入れればよりよいし、そうでないまでも玄関まで近づければ、体への負担を減らせられる。

 エンジン車がアイドリングストップをするとはいえ、介護車両での乗降には時間がかかり、それに対しアイドリングストップは何分もできないし、結局エンジンを止めるしかない。

 モーター走行による加減速の滑らかさは、体調が万全でない利用者にとって、体を余計にゆすられることからの解放にもつながる。日産リーフの利用者の一人は、スーパーなどの大きな駐車場から路地へ出る際、EVだとわずかなアクセル調整で様子を見ることができるため安心だと語っている。たとえ運転に不慣れな人にとっても、モーター走行は微妙な速度調整がしやすくなり、滑らかな運転を可能にする。それは同乗者の乗り心地改善に有効だ。

 電動化により、駆動用バッテリーを床下に搭載すれば、低重心となってハンドル操作に対する車体の動きも落ち着く。車椅子のように、着座位置が高くなる乗車姿勢でも、低重心な走りは安心をもたらすだろう。

 福祉車両を、より快適に利用できるようにするためにも、クルマの電動化は有望な未来の姿といえる。

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