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もはや死角なし!パイオニアが夜間撮影にも強いドライブレコーダーを発売

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TEXT: 会田 肇  PHOTO: 小林 健、稲田浩章

安全運転支援システムに対応した薄型設計

 パイオニア カロッツェリアがいよいよドライブレコーダーに本気を出してきた。この夏に向け、2カメラタイプを2種類3機種、1カメラタイプを3種類4機種の計7機種も登場させたのだ。中でも注力したのが暗闇での車上荒らし対策などに効果を発揮する夜間での撮影機能。暗闇での撮影に強いことで知られるソニー製CMOSセンサー「STARVIS(スタービス)」を2カメラタイプ全機種、1カメラタイプの上位2機種に採用して対応したのだ。今回はその最上位機種「VREC-DZ700DLC」の試作機を使い、発売直前にいち早くテストしたのでそのレポートをお届けする。

 最初にお話ししておきたいのが「VREC-DZ700DLC」には、ほぼ同じ型番の「VREC-DZ700DSC」がラインアップされていること。このモデルとの違いはセカンドカメラを接続するケーブルの長さ。“DLC”はケーブルが9mある一方で“DSC”はケーブル短い。つまり、“DSC”はセカンドカメラを車内に設置して使う、主に車内監視用として準備されたもの。後方からの危険な煽り運転などは、セカンドカメラをリア用として使える長さのケーブルを付属する“DLC”となる。本体はいずれも同じものを使っているとのことだ。

 また、2カメラタイプでモニターが別筐体になっている「VREC-DS500DC」もラインアップ。カメラ本体がコンパクトで取り付け性に優れているのはもちろん、防水・防塵設計なので車外への装着も可能だ。

 さて、「VREC-DZ700DLC」の本体は、最近増え始めているフロントウインドウに本体を貼り付けるタイプとなっている。このタイプはカメラ部をフロントウインドウに近づけることができるため、ガラス面に本体の映り込みを最小限にとどめられるメリットがある。

さらにフロントウインドウ中央に装着されていることが増えたADAS(先進安全支援機能)が撮影範囲に入らなくなるメリットもある。純正オプションのドライブレコーダーの大半がこのタイプを採用するのもそのためだ。

 ドライブレコーダーの要となるセンサーには、本体とリアカメラ共に「STARVIS」を採用した。このセンサーは暗所での撮影能力が高いことで知られ、ナイトドライブだけでなく夜間駐車時の記録に十分な能力を発揮するとして各社がこぞって採用を始めているものだ。ただ、センサーのコストはその分だけ高くなるようで、多くはフロントのみに採用する例が多い。それに対して「VREC-DZ700DLC」ではこのセンサーを両方のカメラに採用し、夜間時の撮影能力アップに万全を期したのだ。

 内蔵バッテリーにも力を入れている。一般的にエンジンを切ってからの撮影は内蔵バッテリーで行うか、あるいは電源を車両側のバッテリーから直接取ることで対応する。「VREC-DZ700DLC」はこの双方に対応しているが、注目したいのは内蔵バッテリーの監視時間だ。なんと最大40分間もの監視を可能にしているのだ。今までならせいぜい10分+α程度であることが大半だったが、この監視時間なら出先での駐車程度は十分に対応できると判断していいだろう。

 なお、車両側のバッテリーで稼働している駐車監視時は、振動を検知すると3秒以内に起動。その後60秒間にわたって映像を記録する。さらにその後にエンジンをかける「異常通知機能」が起動。駐車中のトラブル発生も見落とすことなくチェックできるようになっている。このユーザーフレンドリーな対応も嬉しいところだ。

 

フロントはワイドでリヤはあえて狭めの画角設定

 もう一つ注目したいのが撮影可能な画角の広さだ。フロントを水平130°で、対角はなんと160°とかなり広めとしている。最近のクルマはフロントウインドウのガラスエリアが広く、本機のようにガラス面に近づけて取り付けるタイプだとそのガラスエリア全体を撮影範囲内に収められない可能性がある。そういった状況も考慮に入れたのか、本機ではライバルを圧倒する画角の広さを確保しているのだ。また、フロントカメラは、角度調整機能を使って回転させて車内側に向けることも可能。駐車中の車上荒らし対策としても有効な対応と言えるだろう。

 一方でリア用カメラは水平画角を112°にとどめている。これは何故なのか。実は画角を広くすると撮影できる範囲は広がるが、遠くにいる被写体は小さめにしか映らなくなる。たとえば社会問題化しているあおり運転で後方のクルマを捉える時、間近まで近づかれた時以外は詳細な情報を撮影できない可能性もある。その点を考慮して画角を無闇に広げなかったとしたら、それは正しい判断だったとも言える。とはいえ、対角は137°なので、十二分な撮影範囲を持っているのだ。

 撮影した映像を映すディスプレイは2インチと本体サイズの割に小さめだ。しかも本体がクルマのフロントガラス面に貼り付けることになるため、取り付けた状態で映像を見るのはかなり難しい。しかし、ドライブレコーダーの場合、走行中に映像を見るものではないし、本機にはWi-Fiを使ってスマホ上に映し出す機能も備えられている。つまり、本体のディスプレイは取り付け時にアングル決めに使い(カメラ部は回転できる)、使用中は画面をOFF。映像を見る時はWi-Fi接続したスマホでモニターするのが、使い勝手の上からも推奨できる方法と言える。

 テストはこのシステムで東京・お台場界隈を中心に走行して行った。映像をチェックするとSTARVISならではのシャープさを伝えているのがわかる。輪郭にややエッジが立っている感もあるが、周囲の状況を把握するにはむしろこのぐらいのエッジはあっても不都合はないだろう。発色は控えめであるため、一目見た感じでは美しさは感じないかも知れない。しかし、ドライブレコーダーとして用途を踏まえれば、シャープさを優先した本機の設定はある意味納得がいく。

 ドライブレコーダーとして能力の高さを実感したのが明暗差のあるシーンを走行した時。トンネルの出入り口付近など、急激に明るさが変化するシーンでは白飛びを抑え込んでいる様子がはっきりわかる。この映像からは、カメラのダイナミックレンジを柔軟に変化させ、その追従性の高さを実感させられた次第だ。

 そして注目の夜間監視。暗くなるのを待ち、駐車場の照明がわずかにあるものの、人の表情が肉眼でもわかりにくい状況になったところでチェック開始。比較用として用意したのが「ナイトサイト」に対応していないパイオニアのエントリーモデル「VREC-DZ300」。その映像は明らかに違っていた。DZ300が人らしき影が動いている様子がわかるものの、表情はまったくわからない。

 対して「VREC-DZ700DLC」ではノイズがやや乗っているものの、表情までをはっきりと映し出しているのがわかる。ありがたいことに周辺の状況も鮮明に記録しているので、被害に遭った時の状況を鮮明に把握することができるのだ。

 テスト機はあくまで試作機であったため、市販品では若干違いが出るかもしれないが、それでも「VREC-DZ700DLC」がドライブレコーダーとして高い能力を発揮できていることは十分に感じ取ることができた。ADAS時代を見据えた新たなドライブレコーダーの登場は、ドライブの安心感をさらに呼び寄せてくれることは間違いない。

パイオニア カロッツェリア
https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/

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