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“ダサい”から華麗なるイメチェン! 軽自動車の箱バンカスタムが人気のワケ

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)

実用性も備えた「ちょいアゲ」が定番

 スズキのエブリイやダイハツのハイゼットといった軽自動車の箱バンといえば、数年前までは実用性を重視する”働くクルマ”の代表だった。しかし最近はカスタムのベース車両として注目され、巷にはアフターパーツや有名ショップのデモカーも多数。そんなダサいイメージから脱却し、トレンドの先端へと華麗な転身を遂げた理由とは?

 軽自動車ベースのカスタムといえば、スポーツカーかトールワゴンが主流。チューニングすれば普通車をカモることが可能だし、ドレスアップに関しても車種を問わずメジャーだ。しかし、ワンボックス型のいわゆる『箱バン』は商用車としての人気はともかく、カスタムのベース車両としてはごく限られたコアな層を除き、マイナーな存在であったといわざるを得ない。

 ところが数年前からエブリイやハイゼットなど、今までは注目されることの少なかった箱バンを使った、スタイリッシュなカスタムカーを見かけるようになってきた。

 その理由を考察してみよう。まずは維持費が安い、全国的な軽自動車ブームが背景にある。度重なる安全基準の厳格化やそれに伴う室内空間の拡大、街乗りで力不足を感じないパワー&トルク特性により、日常のアシとして不安や不満なく使えるようになったこと。さらに箱バンは基本的な設計が商用車であるため、積載スペースが大きいうえ直線的なボディは見切りもよく、エアロパーツもよく映えるデザインだ。

 また、タウンユースを考えると極端なローダウンは現実味がなく、ワゴンRやムーヴといったメジャーな軽自動車と比較すると4WDの割合が多いのも箱バンの特徴。サスペンションの構造上2WDよりも車高を下げにくいのを逆手に取って、若干のリフトアップで走破性を高めた、ワイルドな雰囲気の『ちょいアゲ』にたどり着いたのではないだろうか。

 さらにアウトドアブームが重なったのも理由のひとつ。最大4名までが窮屈せずに乗車できるうえ、キャンプ道具などのギアを積むスペースがあり、4WDとリフトアップのおかげで未舗装路も余裕。人気が高まるにつれてメーカーやカスタムショップも注目し、サスペンションやエアロパーツの開発が加速することで、カスタムの素材としての魅力はますます高められている。そのようなちょいアゲの人気は、箱バンのみならず本来はローダウンが定番な軽自動車にも波及しているのだ。

 くわえて、パワー系のチューニングに関してもメニューは多彩。というのもエンジンはスズキならK6やR06(HA23/HA36アルト)、ダイハツであればEFやKF(ミラなど)とメジャーな車種と同一型式なので、共用できるパーツやセッティングのノウハウが豊富なのだ。特に商用車ベースの箱バンはフレームなどの設計が頑丈のために車体が重く、おまけに荷物を積むほど加速力は落ちてしまう。つまり、チューニングによるパワーやトルクの向上が有効だし、トールワゴン系のKカーより体感しやすいというワケだ。

 車両価格や維持費がリーズナブルで、実用性をスポイルしないどころか逆に高まり、アウトドアを筆頭とした趣味に活用でき、チューニングやドレスアップのパーツにも事欠かない。コレだけ好条件が揃っているんだから、むしろブームになるのは必然だったのかもしれない。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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