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自動運転とAIの普及が進む 福祉車両に求められる未来とは

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TEXT: 山本晋也  PHOTO: トヨタ/メルセデス・ベンツ/Auto Messe Web編集部

自動車のバリアフリー化は確実に進んでいる

 自動運転技術を進化させるのにAI(人工知能)テクノロジーは必須、という認識は多くの人が持っていることだろう。また、AIの進化はクルマとのコミュニケーションを豊かにしてくれるという面もある。「ハイ、●●」や「OK、■■」といった対話型の音声操作は、いまや自動車にも広く使われるようになっているが、こうした機能が進んでいけばほとんどの機能がAIによってコントロールされる未来も見えてくる。では、音声操作の領域が広がると何が起きるのか? ひとつには自動車のバリアフリー化が進むと考えられている。

障がいをもつ人にこそ自動運転が必須

 自動車というのは基本的に五体満足なユーザーを前提とした乗り物だ。ハンディキャッパー用の操作系も用意されているが、それにしても視覚障害者が一人でクルマに乗って移動するというのは不可能に近い。しかし、ハンディキャップがあるほどドアtoドアで移動するメリットは大きいだろうし、ニーズは強い。つまり自動車のバリアフリー化は社会的に求められているのだ。そうした解決策として、人による操作が不要な完全自動運転はひとつの理想形といえる。

 さらに人工知能によって音声やジェスチャーでの認識精度が高まれば、目的地の設定なども自由に行なえるようになろう。たとえば、視覚障害者の方がスマートスピーカーを利用して完全自動運転のクルマを呼び出し、そのまま乗り込んで目的地を音声で設定するということもできるだろうし、途中で休憩したくなったらその旨を言えば自動車に搭載されたAIが適切な場所を見つけてくれる、という未来も見えてくる。

運転の楽しみより移動権のほうが重要だ

「移動権」という言葉がある。政府は「移動権の保障」というキーワードを使って、どんな人でも交通機関を十分に利用できることを目指している。ハンディキャッパーの方々だけでなく、いわゆる「交通弱者」と呼ばれるクルマを運転できない人々も自由に移動できることは、権利として守られなくてはならないという考えだ。

 じつは、こうした考え方は自動車メーカートップにも浸透している。日本の自動車メーカートップでは随一の走り好きとして知られるトヨタ自動車の豊田章男社長もパラリンピックのワールドワイドパートナーを務める中で、ハンディキャッパーの方を念頭に置き、『すべての人にとって、安全・安心で、自由に移動を楽しむことができるモビリティをつくりたい。』と語っているほどだ(※)。

 そのためにはユーザーの気持ちを汲むことができるAIを搭載し、利用者がなにも操作せずとも安全・安心に移動できる完全自動運転のモビリティが必要になってくる。運転免許がなくとも自由に移動できる夢のクルマだ。ただし、そうしたモビリティが実現されれば、一般ユーザーも運転免許を取得することはなくなるであろうし、マニュアル運転をするという選択は事実上なくなってくるだろう。

 一人ひとりの違いに寄り添い、誰もが特別に意識せずとも自由に移動できること。それを実現するのは、おそらく究極に進化した自動運転車だ。それは、すなわち究極の福祉車両にも近づくことだろう。運転する楽しさも忘れたくないが、それよりも誰もが移動権を行使できることがモビリティの未来においては重要視されている。すぐさま、完全自動運転が実現するというのは難しいだろうが、大きな流れとしては、AIや自動運転テクノロジーによって自動車のバリアフリー化は確実に進んでいる。

※出典:トヨタ自動車、東京2020大会をきっかけとした共生社会づくりに向け、パラスポーツ振興等の草の根活動を推進

【詳しくはこちら】

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/24239882.html

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