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運転免許不要! 高齢者の移動を補助する「電動カート」に注目集まる

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TEXT: 深田昌之  PHOTO: 深田昌之

国際福祉機器展で見た最新シニアカー事情

 足腰が弱ってきた高齢者とって、日常の買い物さえ重労働になる。とくに運転免許を持っていない(返納している)人にはなおさらだ。そこで、9月に開催された国際福祉機器展で気になった、便利で手軽な小モビリティであるシニアカー3モデルを紹介しよう。

 

乗り心地にこだわる「Karma KS-343」 

 東京にある自動車用シートメーカーの「TACHI-S (タチエス)」が正規輸入販売元となる電動カート「Karma KS-343」。350Wのモーター搭載で最大積載重量は135kg(乗員荷物)まで対応している。鉛バッテリーを2個搭載していて、仕様書上の走行可能距離は35km。速度は前進、後退とも6km/hまで可能という。

 操作はダイヤルスイッチにて速度設定を行ない、前進と後退、停止はハンドルポストにあるレバーで操作する一般的なタイプと同じだ。

 主要装備としては、まず安全性向上のため自車の存在をアピールするヘッドライト、テールランプを採用。サスペンションや空気入りタイヤを採用している。空気入りタイヤは空気圧の調整やパンクのリスクはあるが、空気がバネ的な役目をするので乗り心地は樹脂タイヤに比べていいだろう。なお、乗り降りがしやすいようシートの回転機構も備わる。

 気になる価格は29万8000円とスペックのわりに低価格。海外製で安価というと製品に不安を持つ人もいるかもしれないが、国家公安委員会の型式認定を取得しているので安心だ。余談だが、タチエスは自動車メーカー用に純正シートを製造する東証一部上場企業である。

 ちなみに装備がシンプルになった「KS-200」というモデルもあり、こちらは21万9800円となっている。

 

衝突防止センサー付きの〝てくてっくん〟

 シニアカーは高齢者に便利なものだが、歩道を走行していると他の歩行者や障害物などとの衝突事故が起こるケースも。シニアカー自体の速度が遅いとはいえ、歩行者に大怪我を負わせる危険性は否定できない。

 東洋製作所が製造販売するシニアカーの「てくてっくん」は、衝突防止センサー(赤外線)を採用するので、障害物に接近しすぎると自動で速度の調整やブレーキを掛けて衝突を回避することができるという特徴がある。まさにクルマの自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)のようなものだ。

 シニアカーは法律で歩道を走ることは可能だが、乗り物である限り歩行者とのトラブルが起きないよう対策はしたい。そう考えると衝突防止センサーは大変有効な機能といえよう。

 てくてっくんはスロットルレバーやスイッチを持たず、ハンドルグリップに埋めこまれたタッチセンサーの部分を握るだけで走行できるようになっているのも特徴。速度調整は他のシニアカー同様、別のセレクターで選択し、ハンドルグリップのタッチセンサーがスイッチとなってオンオフのみの制御を行なう。もし、速度調整が必要なら握りを弱くするだけと、操作はカンタンだ。

 シニアカーがより安全に便利になれば、乗って出かける機会も増えるだろう。そうなると今度不安になるのが施錠の煩わしさとキーの紛失なのだが、なんとスマートキーが標準装備されている。車体から約5m以内にスマートキーがあれば電源がオンになりそれ以上離れるとオフになるというもの。

 そのほか、ボディ下回りに錆びない材質を採用し、足もとを広くする構造にするなど、独自の工夫をたくさん盛りこんでいる。

 開発担当者からは「本当はクルマが作りたいが会社の規模的には不可能。ならば自分たちでも作れるシニアカーを作ることで、高齢者の方の手助けをしたい」とコメント。そんな想いがあるからこそ、このようなクルマ並みの装備を持たせていたのだと分かってくる。

 価格は49万8000円と他社のシニアカーと比べて高めの設定になっているが、装備の充実度を考えると妥当と言えるだろう。

 

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