クーペ顔のスカイラインセダン
日産・スカイラインのセダン(V36型)をベースに、同型のクーペモデルのフェイスを移植したツウな車両を発見。製作は同じく「ボディショップ Vivid Luster」だ。
ヘッドライトやフロントフェンダーはクーペ純正を加工移植、フロントバンパーは社外品(リバティウォーク製)を装備しているが、クーペのフェイスはセダンよりも長くなるため、ボンネットはセダン用を延長加工し、全体的に自然な仕上がりとなっていた。
4枚ドアのセダンに、「スポーティなテイスト」を取り入れたかったというオーナー。こちらも、フェンダーをワイドボディ化(前片側10センチ・後片側13センチのアップ)し、エアサスペンションの装着で車高をローダウン。約17センチ伸びた全長と相まって、スポーツカーらしい「ロー&ロング」な美麗フォルムへと上手く変身させていた。
ライバル車のフェイスをスワップ
スズキ・ワゴンR(MC22S)に、現行型のダイハツ・ムーヴの顔を投入した車両がコチラ。ヘッドライトはムーヴ純正、フロントバンパーは「ファブレス」のエアロ、フロントリップには「シックスセンス」のプリウス用をそれぞれ加工して移植するなど、まさに“正体不明”のインパクトを持った1台だ。
軽自動車系のイベントやオーナーズ・ミーティングに通うのが趣味というオーナーは、「同一メーカーのクルマにフェイススワップする人は多いので、より目立つために他メーカーのクルマの顔を投入したかった」とのこと。こちらも「ボディショップ Vivid Luster」が手掛けている。
カプチーノに日産スポーツカーのフェイス投入
スズキ・カプチーノ(F6A型)をベースに、フロントフェンダーから前を日産・180SXにすることで、「超ロングノーズ化」を実現したユニークな1台。製作したのは、ナカムラレーシングファクトリーだ。
日産のスポーツカーとして、80年代後半から90年代に人気を博したのが180SX。かつては、同じ日産のシルビアへ180SXの顔を移植した、通称「シルエイティ」が人気だったが、軽自動車のカプチーノがベースの“180SX顔”はかなり珍しいはず。
ヘッドライトに180SX純正を流用したほか、フロントのバンパーやフェンダー、ボンネットなどは全てワンオフ製作。全長は伸びているにもかかわらず、軽自動車登録が可能というから驚きだ。
製作したナカムラレーシングファクトリーの中村代表によると、「5〜6年前に一度作ったクルマなのですが、事故で破損。オーナーの強い要望で、再度同じ仕様で作った」という。壊れても、諦めずにもう一度作る、オーナーにとってはそれだけお気に入りの1台だったことが窺える。
今回紹介したクルマたちは、いずれも他車種の顔に変えることで、独自のオリジナリティを追求したものばかり。オーナーたちは、手間やコストはかかるものの、それには変えられない「個性のアピール」や「愛車への愛情」を表現するために、フェイススワップを行なっているようだ。
筆者は10年以上大阪オートメッセの取材をしてきたが、今回は近年の中でも特に面白い「顔面移植」を施したクルマが多かった。かつてのブームが再燃するかどうかは不明だが、今後も根強い人気を持ち続けるだろうことは間違いないだろう。