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自動ブレーキの過信は禁物! 知らないと大事故になる「作動しない」5つのケース

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TEXT: 工藤貴宏  PHOTO: Auto Messe web編集部

【自車速度が高すぎるとき】

 どの車両においても衝突被害軽減ブレーキは「作動速度領域」が存在する。特に気を付けるべきは上限速度だ。高級車やハイスペックな高額なクルマの中には、高性能レーダーを使い「200km/h以上でも作動する」というタイプもある。そういう車両なら日本の制限速度内で使っている分には気にする必要はない。だが、なかには現行車種でも作動条件が「上限速度80km/h」といったタイプもある。その場合は高速道路を100km/hで走っている状態では機能しないことになる。

 また、ほんの数年前まで軽自動車やコンパクトカーに多く使われていた「赤外線センサー」を使うタイプの作動速度上限はわずか「30km/h」に過ぎない。それらは渋滞時などでは働くものの、順調に流れている道では衝突被害軽減ブレーキが付いていないも同然なのだ(上限速度を超えるとシステムは作動しない)。

 衝突被害軽減ブレーキがついているからといって安心せず、自分のクルマの作動速度上限をきちんと知っておくことが重要だ。

 

【障害物との速度差がありすぎるとき】

 とはいえ、上限速度内なら必ずしも安心とは言い切れない。作動上限速度が高く設定されていたとしても、自車と障害物との速度差が大きすぎる場合はシステムが効果を発揮しないのだ。

 たとえば、トヨタ車の中でも比較的新しいシステムを組み込んでいる「カローラ」の場合、「停止車両に対し自車の速度が約50km/hの場合は、衝突回避または被害軽減をサポートします」という注意書きがある。これは、逆に言えば、対象物との相対速度が「50km/hを超える」場合は「サポートの適用外」だということを意味する。

 しかも、これはトヨタのシステムに限った話ではない。このように、あまりにも対象物との速度差がありすぎる場合は、システムが本来の力を発揮しない状況もあるのだ。

 

【急な飛び出しには対応できない】

 衝突被害軽減ブレーキは、基本的にまっすぐ前方の障害物に対して機能するもの。近年は道路を横断する自転車にも対応することを謳うものもあるが、それはあくまで、前方を“ゆっくり”横断している自転車が対象だ。

 道路わきからサッと目前に飛び出してきたような自転車を検知し、対応するのは今の技術では難しい。同様に、歩行者対応のシステムでも突然飛び出してきた歩行者に対応するのは現時点では困難だ。

 

【人に対応するとは限らない】

 昨今の新型車は歩行者も検知するのが一般的だ。しかし、つい最近までは車両だけを検知対象として、歩行者はいっさい対象としないシステムも珍しくなかった。その理由は、状況を検知するシステムの限界。そもそもレーダーは人間を検知しないので、対応することができなかったのだ。

 現在は、レーダーとカメラを併用することで歩行者に対応するシステムを採用するクルマが多い。

 

【夜間は歩行者を検知しないシステムも】

 一方で、カメラを活用した歩行者対応のシステムだったとしても、夜間では認識性能に限界があり、歩行者を検知しないケースも少なくない。夜間の歩行者検知機能が広く普及したのはごく最近のことである。

 自分のクルマには「衝突被害軽減ブレーキが付いているから安心」……それは大きな誤解である。確かに衝突被害軽減ブレーキの効果は大きいが、常に正確に作動するとは限らないのだ。今回紹介したように、愛車の作動速度領域、そして歩行者検知機能などは取扱説明書でしっかりと確認しておく必要がある。

 いかに衝突被害軽減ブレーキが付いているクルマでも、大前提は「万が一の際は自分でしっかりとブレーキをかける」ことだ。システムを過信して、結果的に大事故に繫がらないよう十分に気を付けてほしい。

 

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