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標準の「3点式」より安全なのに「違反」になることも! 「4点式」シートベルトの正しい使い方と選び方

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

オススメは「3インチ+ロータリー式バックル」

 便宜的に「4点式」と呼んだが、足もとにベルトを追加し5点式ないし6点式になっている製品もあれば、ベルトの幅もスタンダードな3インチ(約75mm)に加え2インチ(約50mm)があったり、購入するときはどんなタイプを選ぶべきか悩む人も多いハズ。4点式のベルト幅は3インチがスタンダード

 身体への食い込みがソフトでより安全といわれるのは3インチで、ワンタッチで全部のベルトが外れる「ロータリー式バックル」が主流。昔は2インチもあったが身体へのダメージを考慮し現在は公式レースで使用できず、さらにバックパックのように肩と腰のベルトが繋がった旧製品は、バックルを外してから身体をひねって脱出する必要がある。車両火災など1秒でも早く車外に出たい状況では大きなデメリットとなるので、身体や生命を守るためにも3インチ幅のロータリー式バックルをオススメする。4点式シートベルトで主流の「ロータリー式バックル」

 ただ近年は安全デバイス「HANS(ハンズ)」を確実に固定するため、肩の部分だけが2インチのHANS対応品も増えてきた。多くの4点式シートベルトはFIA(世界自動車連盟)の公認を受けており、使用期限が切れていると公式競技には使用できないので注意。もっとも一般の走行会や草レースであれば、よほど古いモデルでなければ特に問題はないが、大きな事故を起こしたとき使っていたベルトは、生地が伸びたりして本来の安全性を発揮できない可能性があり、再利用はしないほうが無難ということも覚えておこう。3インチが主流だが、肩の部分だけが2インチのHANS対応品も増えている

不確実な取り付けは純正よりも危険

 ベルトの長さ調整を4本分すべて独立して行なう4点式は、緩みがあっては安全性もホールド性も台無しとなる。ちょっとキツいと思うくらいタイトに締め込むのがコツだ。なお調整機構や生地の柔らかさはメーカーによって異なるため、機会があればプロショップや実際に使っている車両で体験してみよう。また最近のモデルはカラーバリエーションが豊富で、内装に合わせてドレスアップするのも楽しみひとつだ4点式シートベルトはカラーバリエーションが豊富

 もうひとつ注意したいのは取り付け方法。たまに腰ベルトをシートレールのボルトと共締めしていたり、肩ベルトを固定するアイボルトを鉄板の薄い部分に装着したクルマを見る。いずれもクラッシュで脱落や破損する危険性があり、安全どころかコレが原因でケガをすることも。公式レースではフロアとベルトの角度まで決まっている場合もあり、正しく取り付けるには結構な知識と技術が求められるのだ。4点式シートベルトを正しく取り付けるには結構な知識と技術が求められる

純正を“使える状態”にしておけば合法

 最後に合法か非合法かの話。確かに安全性は上がるものの、残念ながら4点式だけではNG。上半身が自由に動かないことや巻き取り装置のないことが理由で、純正の3点式を生かしたまま問題なく使うことができれば、4点式シートベルトが付いていても違反にはならない。いずれにせよサーキットでは必須といえる装備なので、正しい使い方を知って安全に走りを楽しもう。純正の3点式を問題なく使うことができれば、4点式シートベルトが付いていても違反ではない

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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