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着実に広がっていく「ボランティアの輪」 車いす生活者がバイクを操る「パラモトライダー体験走行会」は新たなステージへ

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

バランスどりの新しい練習方法が試みられる

 参加者2名が時吉さんとの問診を経て、実際に走行を開始したのが午前11時と、今回は少し遅めのスタートとなった。コースの走行スケジュールが決められているサーキットと異なり、完全に休みとなっている自動車教習所を貸し切りで使用していることもあって、いつもより少しのんびりとした一日となった。バランスのとり方を練習するペダルなし自転車 毎回、体験走行会開催の度に様々な反省点・問題点を抽出し、次の走行会にそれをフィードバックしているSSPだが、今回も前回の反省も踏まえ、新作車いす自転車が会場に持ち込まれた。エンジンの付いているバイクではなく、ペダルナシ自転車に補助輪を付けたものとなっており、シートはきちんとした座面を持つフォークリフトのものを流用し、乗降性にも配慮してシートスライド機能もあるという一台。スタッフがこれを押し、パラモトライダーはステアリングを握りながらバランスのとり方を練習できるだろうということで持ち込まれた。パラモトライダーの川口めぐみさんにアドバイスする青木拓磨選手 バイクに乗る前にまずこれに乗って頭と首の振り方でバランスをいかに取れるかを確認した後に、転倒防止用の補助輪の付いたバイクを使用して直線走行。ここできちんと走行ができることを確認した後、教習所内のコースを周回するということになる。パラモトライダーの川口めぐみさん 2人の参加者は慎重に補助輪付きの車両で走行練習を重ねていく。前回もこのバイクをまっすぐ走らせることができず苦戦した川口さんには、青木拓磨選手が丁寧に、そして時に厳しくアドバイスを向ける。一方の関口さんは、走行を重ねていってバランスもうまくとれるようになり、教習所のコースの大きな交差点を曲がれるようなところまで補助輪付き車両で走行ができた。教習所のコースではコース幅が若干狭く、エスケープゾーンがないということもあり、大型車両での走行は厳しいか、とも思われたが、最終的に教習所のコースの外周を、先導車付きで走行するところまで行なって、無事に走行を終え、この体験走行会は終了した。補助輪付きバイクで交差点も曲がれた関口さん 今回は、青木兄弟の出身地ででもある群馬県での開催ということで、群馬テレビや上毛新聞の取材もあり、大きな反響を呼んだ。このパラモトライダー体験走行会は、6月の初開催から、すでに5回。パラモトライダーが少しずつだが増えてきて、さらにボランティアスタッフの数も大きく増えることとなった。新たな会場での体験会を経験し、今後のさらなる展開も期待できるものとなった。

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