クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • ワークスチーム
  • 「本当にフルモデルチェンジ?」というほど見た面は変わらず! 新型N-ONEのサーキットの走りを旧型と比較
ワークスチーム
share:

「本当にフルモデルチェンジ?」というほど見た面は変わらず! 新型N-ONEのサーキットの走りを旧型と比較

投稿日:

TEXT: 岡田幸一  PHOTO: 内田俊輔、本間章悟

新型N-ONE“RS”で筑波サーキット試走 

 幸運にも我々は筑波サーキット2000で、新型N-ONEを走らせる機会を得た。もちろん、RSの6速マニュアルトランスミッション車。N-ONE OWNER’S CUP で、レース車両を何度もサーキットで走らせているとは言え、6速M/TのN-ONEを目の前にして、いよいよか……、と思うと期待に胸が膨らんだ。

 2代目N-ONEに搭載されるターボエンジンは、S07B型 DOHC水冷直列3気筒横置。弁機構はチェーン駆動の吸気2バルブ、排気2バルブ。ターボを搭載するモデルは、プレミアムツアラーのFF/4WD、そしてRS(RSはFFのみ)。Nシリーズの第2世代と呼ばれるパワートレーンを採用し、2代目N-BOXのプラットフォームをベースにして、さらなる軽量化、高剛性化が図られているという。

 そして、これらの性能をフルに引き出すべくRSに設定されたのが、ついに登場の6速マニュアルトランスミッションである。ギアレシオはあのミッドシップ2シータースポーツのS660と同じというからそれも嬉しい。1~5速がクロスしていて小刻みなシフトチェンジができ、スポーツドライビングでは攻めるコーナーに対して適切で素早いアジャストが可能。6速ギアは高速巡航域で3000回転あたりに収まるようにセッティングされている。

 ギアチェンジ操作においては、これまたS660で採用されている、ダブルコーンシンクロとカーボンシンクロ方式になっていて、軽い力でスコスコとシフトアップすることができるようになっている。それから、手で握るシフトノブには粋な計らいが!!  S2000のシフトノブデザインをベースにN-ONEの6速M/T専用設計になっているというから驚き。またクラッチにはクラッチダンパーが装備され、振動が押さえられたしっかり感あるクラッチフィールになっているのだそう。

【結論】6速M/Tはやっぱり速かった。そして気持ちイイ!!

 Nシリーズで定評のある第2世代パワートレーンとS660由来の6速マニュアルトランスミッション。そして、シフトフィールとクラッチフィールにまでこだわった実際の走りはどうか?

 CVTしか知らない我々にとって6速M/Tは、まさに衝撃的とも言えるダイレクトな加速感が味わえた。初代のCVTでも速いのは知っているし、街中では持て余すほどのトルク感やパワー感もある。それが6速M/TになるとCVTの駆動ロスやアクセルを踏み込んでから加速するまでのタイムラグが(もちろんだが)ないのだ。もう、「僕らが知っているCVT車両より全然速い!」と断言していい。そして、シフト操作&クラッチ操作がとんでもなく気持ちいいのである。

 言い忘れていたが、新型の純正シートは、運転席と助手席が分かれたセパレートシート(初代はベンチ型)になり、ユーティリティ性とホールド性が向上。マニュアル操作でのスポーティなドライビングにも対応しているという。これら、ステアリングの位置、インパネ側にあるシフトレバーの位置、シートのホールド性が絶妙なバランスでマッチングしていて、もう一度言うが、操作感がとんでもなく気持ちいいのだ。フロア側からシフトレバーが垂直に出ているS660よりも、新型N-ONEのほうがシフトアップ&シフトダウンとも圧倒的にクリーンで素直なフィーリングであった。

N-ONE“RS”DOHCターボ 6速M/Tの可能性

 スピードメーター右のインフォメーションディスプレーには、ブースト(ターボ)計を表示させることも可能なN-ONE“RS”。 画面を切り替えればGメーターの表示も可能。純正のまま、何も後付けしなくてもこの豪華装備がついているのは、上位セグメントの高級スポーツカーともなんら遜色がない。

 コーナリングについても、非常によく曲がる。N-ONE OWNER’S CUPのワンメイクレースでも、純正相当のエコタイヤの装着が義務付けられていることもあり、“RS”6速M/Tは、タイヤもサスペンションも純正のままで、高いレベルでサーキットも楽しめてしまうほどに感じられた。

 新型N-ONE+6速マニュアルトランスミッション車の今後の可能性についてだが、N-ONE OWNER’S CUP に関して触れておくと、大会事務局のリリースでは、少なくとも2021年シリーズへの出場は認められていない。参加できる車両として追加されたのは、新型N-ONEのFF/ターボモデルの【CVT】のみ。理由は明らかにされていないが、N-ONE OWNER’S CUPについては、全車CVT車両という当初のコンセプトを貫き、イコールコンディションを保つ意味が大きいと思われる。

 話題性としては少々残念ではあるが、我々が筑波サーキットをサラっと流してもみても、断然6速M/Tのほうが速く感じられたことは言うまでもないだろう(実際のところ、新型の6速M/Tがレースに出られなくてホッとしている)。

 偉そうに上からモノを言うつもりはないが、新型N-ONEの出来は想像以上に素晴らしいものだった。軽自動車のベーシックカーとして、4人乗れて荷物も積めるという、普段の生活や「人」との距離感がフレンドリーであるにも関わらず、ホンダに脈々と流れる走りへの拘りが、トルクフルなターボエンジンや6速マニュアルトランスミッションの実現などに、はっきりとあらわれているように思えた。

 見た目だけだと「初代と何も変わってませんが?……」程度の印象しか残らないかもしれないが、実際に触れてみると中身は大きく進化していることが分かった。軽自動車界隈におけるチューニングファンや走り屋の皆さんが、その“進化”に気づいたとき、新型N-ONEが、爆発的に市場を賑わせる可能性は大いにあり得るだろう。「アルトワークス vs N-ONE」などの対決が見られるのはそう遠くないはず。

12
すべて表示

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS