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マツダにも「タイプR」があった! 実はパンチの効いた名車「ランティス」の功績

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

小型V6ブーム時にも際立ったパワーユニット

 こうやって言葉にすると、見た目だけの一発屋狙い的な感じになってしまうが、走りもマツダならではのこだわりが詰まったのだった。とくに注目なのがエンジンで、1.8Lの直4に加えて用意されていたのが2LのV6。現在の常識では考えられない小排気量のV6だが、同じKF型としては1.8LのV6があって、プレッソなどに搭載されていたし、ライバル心を燃やしたのか、三菱は1.6LのV6をミラージュとランサーに搭載していて、当時は小排気量のV6がちょっとしたブームだった。ちなみに三菱のものが現在でも量産エンジンとしては世界最小のV6で、これが登場するまでの約半年間はマツダが世界最小を誇っていた。

 そんなルーツを持つのがランティスの2L V6で、直4のスペースに十分積むことができるコンパクトさが持ち味。スペックはマツダがスポーツーカーとカタログで謳っていただけに、170psと立派なものだった。新車当時に運転した感じでは、ポテンシャル自体は直4とあまり変わらなかったが、フィーリングとBMWを参考にチューニングしたサウンドはV6ならではの官能的なもの。滑らかにスルスルと吹き上がりつつ、ルルル……、というサウンドが響き渡るのは相当気持ちよかった。

スポーツカーとしての性能を十分に投入

 技術的にもその意欲は十二分に伝わってくるもので、まずクランクシャフトとコンロッドは炭素鋼の鍛造品として、カムシャフトは中空タイプとした。加えてV6には「VRIS」と呼ばれる可変共鳴過給システムを。直4には可変慣性吸気システムを採用することで充填効率をさらに高めた。とくにVRISは、当時のマツダがウリとしていた技術で、これをさらにチューニングして高回転よりのセッティングにすることで、高回転の伸びも実現している。

 スポーツカーとマツダが言うだけのことはある内容と言っていい。また、ポルシェの技術も投入されているとも言われている。ボディに関しても高剛性なのはもちろんのこと、安全性にも力を入れて、1996年に導入された新衝突基準に適合した第1号だった。

ツーリングカーレースにも参戦!

 その勢いで参戦したのが、当時人気だったBTCC(イギリス)、DTM(ドイツ)の日本版であるJTCC。ツーリングカー、つまり4ドアセダンによるレースで、各メーカーがワークス体制でぶつかり合うという、激しい内容が特徴だった。ここにマツダはランティスを投入したのだが、空力に優れ、高剛性のボディやパンチのあるV6を武器にという目論見ではあったのだろうが、結果的には重量増がアダに。2年ほどで、ファミリアにスイッチしてしまった。ちなみにミスタール・マンの寺田陽次郎氏などがステアリングを握った。

 V6エンジンに5速MTを組み合わせつつ、当時としてはハイスペックだった50偏平のワイドタイヤを履くなどした、最上級のスポーツグレード名はなんと「タイプR」。マツダはスポーツハッチというか、クーペとして相当力を入れて売り出したことがわかるが、販売的には不振で一代限り、きっちり4年で姿を消してしまったのは残念だった。

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