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6400万円でもバーゲン価格?「ランチア037ラリー」復刻モデルが「本物を超える」完成度だった

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: kimera-automobili/FCA

ボディはフルカーボン&LED化されたヘッドライトが特徴的

 エクステリアは4灯のヘッドライトがLED化され、グリルやフォグライトリムにカーボンパーツが奢られている点を除けば、まさに037ラリーそのもの。エンジンルームの左右にあるエアインテークや、フロントカウルにパワーバルジ風のコブが付くのも変わらない。ぱっと見はランチアにも見えるが実はレストモッド仕様になっている

 ちなみにミッドシップなのになぜフロントフードにパワーバルジがあるのかご存じだろうか? フタを開けるとテンパータイヤとジャッキ、工具などが収められるトランクスペースパンクなのだが、実はバーストやパンクをした際に装着していた16インチタイヤを収納するためのクリアランス(=バルジ)なのだという。俯瞰で見たEVO37だが、ランチアと言われても違和感がない

 ルーフはふたつのコブがあるダブルバブル形状で、ミラーもビタローニ・カリフォルニア風なタイプが装着される。ピニンファリーナが描く曲線こそないものの、張り出したブリスターフェンダーは迫力がある。どことなくヴィタローニ・カリフォルニアをイメージしてしまうミラー

 リヤ周りはワークスカーを彷彿させるスポイラーが特徴的だ。しかもリヤカウル一体型となっているのだから驚く。テールレンズはオリジナルのストラダーレの長方形型ではなく、いわゆるワークスマシンを彷彿させる丸形を採用しLED化されている。マフラーはディフューザーに埋め込まれた4本出しとなっている。リア周りはストラダーレと言うよりもコンペティションモデルのエヴォiに近い

 また、オリジナルのモデルでは前後のカウルなどにグラスファイバーを採用していたが、EVO37ではカーボンファイバーで作られている。

 ちなみにボディ寸法はオリジナルの037ラリーが、全長×全幅×全高=3915×1850×1245(mm)となり、ホイールベースが2440mmとなっていた。EVO37では全長×全幅×全高=4055×1905×1200(mm)でホイールベースが2520mmと拡大はしているが、スタイリングは維持されている。全体的に拡大はしているがプロポーションはそのままだ

  ホイールはワークスカーに装着していたスピードラインのデザインに似ており、補強のリブがスポークで再現されている。さらに恐らくはオプション設定になるが、ホイールベンチレーターも選べそうだ。ホイールエアベンチレーターを装着したEVO37

インテリアは競技マシンそのもの

 インテリアについてはEVO37のコクピットの写真こそ公表はされていないものの、技術仕様書によると037ラリーと同じ構造のダッシュボードとセンタートンネルを採用しているようだ。(写真は037ラリー)037ラリーの内装がそのままEVO37にも反映されているという ダッシュボードにはカーボンファイバーを使用し、エッヂ部分にはアルカンターラやレザーを採用することで80年代、90年代のランチアのスポーツカーを演出。オリジナルの037ラリーには16個のサーキットブレーカーが備えられていたが、EVO37も赤いボタンを使ってクルマのさまざまな電子設定をアナログ的に行うことができるよう、ダッシュボードに赤いボタンが備えられているという。

 また、計器類はすべてアナログで表示され、ランチアのレーシングカーを参考にデザインがなされているという。シートの形状はデルタS4のものを踏襲しアルカンターラとレザーの2種類のシートを用意。4点式シートベルトが組み込まれている。

 ちなみに、ハンドブレーキは油圧式になる予定とのこと。まさに競技車両といったスパルタンな内容となっている。

シャーシはオリジナル同様にベータ・モンテカルロを使用

 シャーシは元の037ラリーと同様に、ランチア・ベータ・モンテカルロのセンター・モノコックをベースとし、その前後に最近の技術で加工されたクロムモリブデン製のチューブラーフレームを溶接している再設計のオリジナル品だ。クルマ好きなら、このフレームだけでもずっと眺めていたくなる構造美だ。EVO37のチューブラフレーム

 サスペンションは当時と同じダブルウィッシュボーン式。リヤにはホモロゲーションモデルで話題でもあった4本のダンパーが据えられているレイアウトを維持しながらも、完全に再設計がされている。オーリンズ製の車高調整機能付きが与えられ、タイヤはピレリが装着されるものだ。EVO37のチューブラフレーム

 サイズはフロントが245/35R18、リヤが295/30R19と偏平タイヤになっている。またブレーキはブレンボ製で、フロント・リヤともに365mmのベンチレーテッドディスク。素材はスチールかカーボンセラミックブレーキを選択することが可能だという。EVO37のリアの足回り

 走ることを目的として登場しただけのことのことはあり、スチールとアルミニウムだけではなくカーボンやケブラー、チタンなど軽量化と剛性の向上を目的とした素材が多く使用されている。

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