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「できないなんて、絶対におかしい」チェアウォーカー長屋宏和さんが語るファッションとレースの「共通点」とは

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TEXT: 先川知香  PHOTO: 長屋宏和/Auto Messe Web編集部

レーシングドライバーからファッションブランドプロデューサーへ転身

 

 2002年10月13日に鈴鹿サーキットで行われたF1世界選手権日本グランプリの前座レース、「フォーミュラ・ドリーム」にゲスト参戦し、レース中の大クラッシュでチェアウォーカーとなった1人のレーシングドライバーがいる。名前は、長屋宏和さん。F1ワールドチャンピオンを夢見て、14歳からレース活動に人生を捧げてきた彼は、現在チェアウォーカーとして、チェアウォーカー・ファッションブランド「ピロレーシング」を立ち上げ、ファッションの世界で精力的に活動しているという。F1ドライバーを目指していた長屋さんが、いったいなぜ、ファッションブランドを立ち上げるに至ったのだろうか。

 筆者がその活動を知ったのは、1枚のマスクがきっかけだった。2020年にツインリンクもてぎで行われたカートの耐久レースに参加した筆者は、チーム宛に差し入れられた、薄い藍色のデニム素材がオシャレな布マスクを受け取った。突然始まった慣れないマスク生活の不快感に嫌気がさしていた私は、その涼しげなカラーの布マスクをすぐに装着し、着け心地の快適さに驚いたのを記憶している。さらに驚いたのは、そのマスクを作ったのが、元レーシングドライバーで、以前同チームからK-TAIに参戦したこともある、チェアウォーカーの方だという事実だった。

 

きっかけは「オシャレを制限されたくない」という気持ち

 それから約1年後、長屋さんにインタビューをする機会を得た。待ち合わせ場所に現れた長屋さんは、以前筆者がいただいたデニムデザインの爽やかなマスクに、ビビッドなオレンジのTシャツ、そしてベージュっぽいチノパンと、キチンとコーディネートされたオシャレな出で立ちで現れ、車いすに座っているという点以外は健常者とほとんど変わらない。着るものに制限のないはずの筆者のほうファッションに無頓着で、少し恥ずかしくなったぐらいだった。

 そんな長屋さんは、もともとファッションに興味があった訳ではなく、レーシングドライバーとして活躍していた当時も、普通に自分好みのオシャレを常日頃から楽しんでいたレベルに過ぎなかったという。

「服が特別好きという訳ではありませんでしたが、怪我をする前も好きな洋服を着ていたし、オシャレは楽しんでいました。でも、チェアウォーカーになってからは、自分が着たいと思う洋服が着られなかったんです。それは、動きにくいとか着づらいとかももちろんだけど、ずっと座っていることで、お尻の部分が痛くて、床擦れの原因になってしまい、硬いズボンは履くなと病院で言われたりして。そんな、車いすの生活になったら、なんでオシャレを制限されなきゃいけないんだろう?という疑問がスタートでした」

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