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スポット参戦のHREスープラ、最後尾スタートながら22台抜きの快挙【2021NASCARエクスフィニティシリーズ第29戦】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: Hattori Racing Enterprises

レース中盤に燃圧ダウンで失速症状の苦戦

 第2ステージのグリーンフラッグが振られると、ピット戦略で上位に上がったマシンとステージブレイクで新品タイヤを装着した上位マシンとの間で激しいバトルが各コーナーでスタートする。ヒル選手は次第に順位を下げていくものの、10番手前後で走行を続ける。29周目にイエローコーションが出されたタイミングで、チームはハンドリングの改善を目指しヒル選手にピットインを指示。給油とタイヤ交換とともにセッティング変更を施してコースに戻し、29番手からリスタートを迎える。

 荒れたレースとなったこの日は36周目にもクラッシュによるイエローコーションが出された。多くの車両がピットインするなか、ここで61号車はコースに留まり、第2ステージを18番手で終える。このステージブレイクでもハンドリングの改善を目指してチームはピットインを指示。給油と新たなタイヤ交換、さらにセッティング変更を施して25番手から最終ステージのスタートを迎えた。

シャーロットでの「Xfinity(エクスフィニティ)」 43周目に最終ステージのグリーンフラッグが振られると、61号車は一気に20番手へとアップ。新品タイヤとハンドリングが改善されたマシンはラップタイムが飛躍的に上がり、ヒル選手は順位を上げていくが、レースも残り10周を切った60周目にマシンの燃圧が下がり、コーナーで失速症状が出る。チームは何とかピットにたどり着いた61号車に、燃料補給だけを行いコースに戻すが30番手まで順位が下がってしまう。

激戦の終盤にふたたびポジションアップ 

 しかしレースは最終盤のチェッカーを目前にした63周目にイエローコーションが出され、残り2周のオーバータイムに突入。ここでチームはピットインを指示、念のためにさらなる燃料補給と温存していた新品タイヤを装着して最後のスタートダッシュに掛ける作戦に出る。

 激しさを増した残り2周の争いは、コーナーごとにスリーワイドの激しいレースとなりゴール直前のシケインで複数の車両が接触する多重クラッシュが発生。ヒル選手はスピンするマシンを間一髪ですり抜けて20位でチェッカーを受けるが、シケインをショートカットした2台にペナルティの裁定が下され、正式結果では18位にポジションアップしてレースを締めくくった。

 エクスフィニティ・シリーズは次戦、北米トヨタの本拠地であるテキサスが舞台。HREチームも2戦連続でこれにスポット参戦する。

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