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「マン振り」したけど大空振り! メーカーが威信をかけて作ったのに期待外れだったセダン4選

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: トヨタ/Auto Messe Web

トヨタ・ブレビス:プログレより若者向けを狙った上品なサルーン

 それを受けてか登場したのがブレビスで、プログレをベースとしながらもより若者向けの企画で2001年6月にデビュー。ボディサイズは4550×1720×1460mmと堂々とした3ナンバーサイズのボディながら最小回転半径は5.1mを守り、内装には本アルミ合金製のパネルやグラスグリーン照明を採用するなど、若年層確保のための工夫が見られた。トヨタ・ブレビスの走り 運転席はパワーアジャスタブル・ペダルと呼ばれる、アクセルペダルなどの位置が動かせて幅広い体格に適切なドライビングポジションを提供する新機能が備わっている。加えて、現在では定番のスタビリティ・コントロールのVSC(DSC)を全車に標準装備。

 音声ガイド付きのバックガイドモニターやLEDイルミネーション、ヒンジが邪魔にならないトランクルームの空間をフルに使えるデュアルリンク式ヒンジを採用して、快適な使い勝手を達成していた。エンジンは3.0Lの2JZ-FSEと2.5Lの1JZ-FSEで、15~17インチのタイヤを用意。4WD仕様も設定されていた。

トヨタ・ヴェロッサ:チャイサーとクレスタの後継セダン

 トヨタのDセグメントは、マーク2、チェイサー、クレスタ3姉妹が隆盛を極めて、マーク2だけが生き残る。そこからプログレ、アルテッツア、ブレビスで復権を図るかと思いきや、ブレビス発表の1カ月後、2001年7月にヴェロッサが誕生する。

 このヴェロッサはチェイサーとクレスタを統合した意欲的なモデルで、重要視されたのはスタイリング。トヨタが「エモーショナル・セダン」と語るだけあって、プログレ、アルテッツア、ブレビスとはデザイン言語が違うような、欧州、それもラテンを感じさせるスタイリングでデビューした。トヨタ・ヴェロッサの外観 全車可変バルブ・タイミングシステムが採用された2.5Lターボの1JZ-GTE、2.5L直噴の1JZ-FSE、2.0Lの1G-FEが搭載されるエンジンは、ブレビスとは違ってターボや2.0Lもあることで、キャラクターを差別化。2.5Lの1JZ-FSE型は、ブレビスと同型ながら直噴に新たに「D-4」の名を命名したことで先進性を加味。クラウンベースの新GOAボディがベースであることも注目点で、高い安全性を持つ意欲作であったが、ビスタ店と旧オート店であるネッツ店との統合によって販売終了となってしまった。

まとめ:4ドアセダンが売れる時代がまたやってくる?

 駆け足で21世紀前後のトヨタのDセグメントFRセダンの変遷を振り返ったが、これらのモデルはひとつひとつの完成度は高く、現在もまれではある見かけることもあってオーナーは満足しているに違いない。ただ今だから言えるのだが、アルテッツアにこそターボが必要だったのでは? とか、プログレはあの時代だけに5ナンバーサイズ、そのキャッチフレーズさえあればもっと売れたはず。

 アルテッツアは北米ではレクサスISとして登場したため、現在は日本でもレクサスのエントリーFRサルーンとして存在している。プログレは3ナンバーという言葉だけで購入対象外とした方も多かっただろうから「エンジンの排気量で3ナンバーとなりますが、サイズは5ナンバーです!」と言いきれれば、販売の現場ではもっと売りやすくて小さな高級車として不動の地位を確立していたのかも。

 ブレビスとヴェロッサは直6のみの設定なのだから、どちらか一本に絞って混信の力作として、MTの設定や時代を先取りしたダウンサイジング・ターボがあれば、チェイサーなどのツアラー系の受け皿となってヒットモデルに、現在でも中古車市場で大人気となったと思われる。

 もし4ドアセダンが売れる時代となれば、トヨタは4ドアセダンを投入するに違いない。プログレ、アルテッツア、ブレビス、ヴェロッサと、短期間に多くのモデルを作り出したトヨタの力量が現在のSUVで発揮されている。4ドアセダンが復活する際には、ぜひ、過去の名車の名前も復活してほしい。いや、水素や電磁自動車では新しい名前がふさわしいか。

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