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ミニバンなのに「シャコタン」で大ウケ! カッコ良かった「3代目オデッセイ」の功罪とは

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業/Auto Messe Web編集部

駆動力に優れた4WDに加えて先進の安全装備も充実

 4WDは従来のデュアルポンプ・システムを進化させて、ワンウェイ・カムユニットとパイロット・クラッチを追加。後輪への駆動伝達のタイムラグを短縮することで、旋回時の安定性を向上させたうえ、最小回転半径は5.4mとクラス最小を誇った。3代目オデッセイ(4WDシステム)

 また、安全装備も充実で、ステアリングの舵角でヘッドライトが向きを変えるAFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)や、VSA(ABS+TCS+横滑り防止装置)、ドライブ・バイ・ワイアを採用。3代目オデッセイ(アダプティブヘッドライト)

 ミリ波レーダーで前走車を検知して追突ダメージを軽減するブレーキシステムまでも備わる。ホンダ定番の4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンョンは、アブソルートに備わる17インチタイヤと相まって、走って楽しいミニバンの地位を確実なものとした。

ミニバン=スライドドアという定説が3代目オデッセイを埋没させる

 だが3代目オデッセイは末期を迎えて、大転換が起こってしまう。初代モデルのヒットを受けてモデルチェンジした、2代目エルグランドや初代アルファードが2002年に登場して大ヒット。2008年には2代目アルファードの兄弟車としてヴェルファイアが登場するなど、ミニバンは大きくて背が高く「顔」が大事な時代がやって来る。2代目アルファード

 初代オデッセイが登場した頃は、ミニバンアレルギーがあった人もいたワケだが、時代を経て背が高くて室内が広いことが重要となったミニバン界において、3代目オデッセイは言葉は悪いが「中途半端」な存在となってしまった。

 ライバルがスライドドアであったことに対して、ヒンジドアならではの利便性はニッチなユーザーにしか認知されず。ボディを軽量にできて、大きく開けば開口部が広いというメリットも訴求したが、ライバルと目された同じヒンジドアの2代目トヨタ・イプサムが2010年に、同マークXジオは2013年に販売終了。いつの日か、ミニバンといえば「室内の広さとスライドドアだよね!」という時代が到来したのだ。

ミニバンブームを築いたオデッセイの終焉は寂しい限り……

 もちろんホンダも、エリシオンやステップワゴンなどでスライドドアを提案していたが、エリシオンはホンダらしいスマートなデザインが時代にそぐわなかったのか(途中大幅なテコ入れがなされたが)、日本国内は2013年に販売を終了。

 5ナンバーサイズが主戦場のステップワゴンのライバルは、トヨタ・ノア&ヴォクシーや日産セレナであり、オデッセイはアルファードなどのLクラスでもステップワゴンなどのMクラスというジャンルに当てはまらず、強いてライバルを挙げればマツダMPVやトヨタ・エスティマなど。いずれも販売が終了したモデルであり、ある意味「オデッセイ」という唯一無二のジャンルになってしまった。4代目オデッセイ(アブソルート)

 それでもファンに支えられて、オデッセイはオデッセイなのだと、2008年に4代目オデッセイがキープコンセプトで登場。一転して2013年にはスライドドアで起死回生を狙った5代目オデッセイも健闘したが、2020年11月にフェイスリフトなどの大幅改良を実施するも、2021年中の生産終了がすでにアナウンスされている。

現行型オデッセイ

 ホンダらしい走りにこだわった3代目オデッセイだったが、ミニバン=スライドドアの流れに抗うことができず、5代目モデルでスライドドアを採用するも、時すでに遅し……。とはいえ、初代モデルの登場から最終モデルの5代目後期まで、一貫して走りにこだわってきたオデッセイがこれまで所有してきたユーザーや、クルマフリークの記憶に残るミニバンであったことは間違いないはずだ。

■3代目オデッセイの日本国内での販売台数(抜粋)

・2002年/5万2366台※10月に3代目登場

・2003年/4万5374台

・2004年/9万7849台

・2005年/6万4002台

・2006年/4万4986台

・2007年/3万1792台

・2008年/2万8982台※10月に4代目が登場

■ホンダ・オデッセイ・アブソルート(RB1型、FF)SPECIFICATION

〇全長×全幅×全高:4765mm×1800mm×1550mm

〇ホイールベース:2830mm

〇トレッド 前/後:1560mm/1560mm

〇車両重量:1640kg

〇乗車定員:7名

〇最小回転半径:5.4m

〇室内長×室内幅×室内高:2790×1535×1220mm(サンルーフ付きは1205mm)

〇エンジン:K24A型DOHC直列4気筒16バルブ

〇総排気量:2354cc

〇最高出力:200ps/6800rpm

〇最大トルク:23.7kg-m/4500rpm

〇トランスミッション:CVT

〇サスペンション 前後:ダブルウィッシュボーン式

〇ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク

〇タイヤサイズ 前後:215/55R17

 

■ホンダ・オデッセイ・L(RB2型、4WD)SPECIFICATION

〇全長×全幅×全高:4765mm×1800mm×1570mm

〇ホイールベース:2830mm

〇トレッド 前/後:1560mm/1560mm

〇車両重量:1700kg

〇乗車定員:7名

〇最小回転半径:5.4m

〇室内長×室内幅×室内高:2790mm×1535mm×1220mm(※サンルーフ付きは1205mm)

〇エンジン:K24A型DOHC直列4気筒16バルブ

〇総排気量:2354cc

〇最高出力:160ps/5500rpm

〇最大トルク:22.2kg-m/4500rpm

〇トランスミッション 5速AT

〇サスペンション 前後:ダブルウィッシュボーン式

〇ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク

〇タイヤサイズ:215/60R16

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