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34年所有して修理代「500万円」なら安い? ルパン3世の愛車でお馴染み「フィアット500」オーナーの泣き笑い「ゴヒャク」生活

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: 近藤暁史/フィアット

ドンガラのボディに自分で部品を組み付け

 ボディレストアといっても戻ってきたのはドンガラ状態。つまり板金塗装のみで、部品の組付けなどはこちらでやることになっていた。今思えば変とはいえ、何度も言うが、やはりおぼこかったのだろう。ちなみに支払いはこちらもローンでまかなった。フィアット500修理風景

 もともとメカは高校時代からバイクをイジっていたためお手の物で、上がってきたボディに組み付けつつ、ドンドンと部品を新品へと交換。10年ぐらいかけただろうか、フルレストアの状態にまでもっていくことができた。そのころになると、海外とのやり取りもネットの普及で楽になったので、ドイツやスイスから通販で取り寄せつつ、ついでに取り寄せた部品を売って商売にもしていた。ちなみにイタリアはいい加減すぎて、チャンと送ってこないこともあるので、基本的にはそれ以外の国から輸入するのが基本だ。フィアット500の内装

 おやっさんに多額のボディレストア費用を払ったとはいえ、ズッと乗っているため購入費用も含めて返してしまえたので、メカに費用を存分にかけられたのはよかった。工賃を払ったつもりで工具を揃え、今では物置ひとつが工具入れになっているほど。溶接機なども完備して、できないことはほぼない状態ではある。

エンジンは畳敷きのアパートで自力オーバーホール

 肝心のエンジンについては、当時の畳のアパートでオーバーホールを決行。真っ黒なオイルを垂らしながらも完成させたので、白煙も解消することができた。ただ、500ccだと非力ではあるので、ミッションともどもポーランド製を輸入して新品に載せ替えて現在に至っている。今ではもう作っていないようだが、少し前まで、後継車のフィアット126の補修用に生産されていて、排気量が650ccになるので乗りやすくなるというのが交換した理由だ。発電機も発電量が少ないダイナモからオルタネータにもなっている。フィアット500のメカニズム

 よく聞かれる故障については基本的にはない。メカいじりの趣味も兼ねた予防整備が好きなのでなおさらなうえ、機構的にシンブルなので壊れるところはほぼない。オーナーのなかには壊れるという人もいるが、それはそもそも整備やメンテが悪いだけだと思う。実際、原因不明のエンコは一度もない。ただ、昨今は部品品質が急激に悪化しているので、それを使われてしまうとどうしようもなくなることはある。

気になる故障は? メンテ費用はどれくらい?

 ガラスも新品、配線も全部引き直しするなど、足まわりも完全リフレッシュ。自分でやっただけに疑惑なしフルレストアで、ほぼやることがなくなったのが8年ぐらい前だろうか。よく聞かれるのが費用はいくらぐらい突っ込んでいるのかということ。車体とボディレストアはすでに記しているので割愛するが、さらにメカの部品代は頼まれた部品も一緒に輸入しているので厳密には出せないものの、100万円ぐらいだろうか。新品エンジンはミッションと合わせて20万円ぐらいだった。もちろん工賃はまったくかからないものの、プロに頼んだとすると時間工賃から算出して150万円は超えるだろう。

 すべて合計すると500万円ぐらいか。ショップに頼んで、徹底的にちゃんとやるとこんなものだろうし、200万円ちょっとの極上車というのもその内容は推して知るべしだ。うちの場合は、部品をストックするために倉庫を借りているし、貴重な当時のアバルトパーツのコレクションもしているので、天文学的な(大げさ)費用がさらにかかっているので計算不能。趣味なのでそれでもいい。

まとめ:これからも末長く「ゴヒャク」と付き合っていきたい

 ただ、最近になって、塗装表面にヒビが入って、中からサビ汁が垂れるようになってきたし、フロアにも穴が。試しに塗装をめくってみると分厚いパテが出現。つまりパテが割れて塗装もヒビが入り、水が進入して中がサビたというのが理由。つまりあのときのおやっさんは叩きもせず、ヘコミなどはパテを盛っていただけだった。どうりで左右で形が微妙に違うはずである。フィアット500の修理風景

 よくもまあ、複雑なボディラインをパテで作ったものだと関心しきりだが、終活がてら、これからボディのレストア、塗装を自分でやって仕上げるつもりなので、結局最終的にわがゴヒャクにいくらかかるのかは不明。でも。それでいいのだ。

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