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「モトコンポ」のサイドカーを自作! 実際に筑波サーキットで走ってみた 完走すれば世界最速?

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TEXT: 阿部忠雄  PHOTO: 阿部忠雄/Auto Messe Web

ついに筑波サーキットで全開走行!

 そして2021年10月、ついに念願の筑波サーキットデビューの朝がやってきた! CARトップ誌伝統のガチンコ新車斬り企画、あの「筑波アタック」に番外編として登場します。名付けて「CTおバカ筑波アタック2021」ちょっと残念な企画ネーミングですが、過去にはこの部門で「電動アシスト・ママチャリ(5’42”399)」や「トゥクトゥク(2’06”547)」、「セグウェイ(6’20”872)」、「人間・駆け足(8’47”620)」などが大真面目にアタックしています。はたして1年がかりの連載で作り上げたモトコンポサイドカーが、どんなパフォーマンスを見せるのか、何分何秒で駆け抜けるのか、はたまた分解してリタイヤしてしまうのか、心が躍ります。

 相棒の加藤パッセンジャーと気合を入れて、いざスタート! ピットロードが地平線まで続くかのようにはてしなく長く見えます。焦らずゆっくりと走りながらマシンをチェック。新車同然のエンジンはもちろん絶好調で、シャーシもよし。ハンドルがブレたり左右に取られることもなく、脇を締めてギュッと固定しているだけで素直に直線を進む。どうやらアライメントも問題はなさそうです。

ラップタイムはモトコンポ+サイドカーの世界最速!? を記録

 第1コーナーは体重のかけ方を探りながら大きく曲がります。「今、20km/h出てるよ」「ヒーッ!」「今で、30km/h」「うお~っ!」なんて声を掛け合って走る。レーシングカート慣れしているはずの加藤パッセンジャーも、自分でハンドルを操れない地面スレスレはスリル満点みたいです。体感速度60km/hくらいでしょうか?

 第1ヘアピンの左カーブを少し加速しながら切り抜け、ダンロップコーナーの右カーブは減速気味に通過します。アクセル操作だけでブレーキは使いません。サイドカーらしい走りになってきました。カーブの走行ラインを探っているので、いつくぐり抜けたの? みたいにダンロップアーチも目に入りません。

 80Rを過ぎ第2ヘアピンを回るころには、ふたりの呼吸が合ってきて、スピードに乗ったまま内側の縁石を舐めるようにトレースできるまでになりました。最終コーナーをほとんど一定速度のまま通過して、ジワリと加速しながら2周目に突入します。少しだけ攻撃モードに切り替えましたが、アタック本番は3周目ということでまだ慣熟走行に集中します。

 モトコンポの非力な2.5psエンジンでも、ふたり乗りのサイドカーが安定して元気に走りますね。ステアリングダンパーと2名分の体重バランスが奏効しているのか、ハンドルが少しもブレず、安心感は大きいです。もしかしてバットマンデフューザーもひと役買っているのかも(まさか?)。今度はダンロップアーチも確認できました。裏ストレートでモトコンポサイドカーとしては最高速かなと思う40km/hちょっとまで出してみたけど、まだまだ余裕で伸びそうですね。行けるぞ! 

 最終コーナーをハイペースで走り抜け、アクセルをひねって3周目の本気アタックを開始! さあこれからだ、というところで、カウルのボルトが浮き上がってプルプルと震えているのを発見しました! なんてことだ、小さなネジとはいえコース上に落とすわけにはいかないので、すぐにメインストレートをUターンしてアタックは終了となりました。

 1速しかないモトコンポは、ローだけで最高速度まで走っているような状態なので、2ストの高周波振動が車体全部をビビらせます。サーキット走行対策としてすべてのボルトをセルフロックナットで締めてきたはずなのに、カウルのボルト2本だけナットを付け替え忘れていました。

 結局2周目のタイム、4分10秒876がベストラップということに……。もう1周走りたかったな~残念無念。でも楽しすぎるモトコンポサイドカーの筑波サーキットアタックでした!

パッセンジャーの乗ってみた感想(加藤)

 阿部さんが制作した「モトコンポサイドカー」。最初は冗談で「え、乗れないの?」「いやー筑波を走るならフロントのエアロがないと」「バットマンディフューザーも欲しいなあ」なんて言っていたら本当に作ってくれる阿部さん。あれ、どうやら本気だぞ……と気がついた時はもう引き返せない状況で、筑波サーキットで僕も乗るハメに。

 サーキットテスト当日、現場に持ち込んだバラバラ状態のモトコンポサイドカーを厳かに組み始める阿部さん。試走してみたんですか? と聞いたところ「庭を走らせただけです」と。まあ、そりゃそうだよな。コースインして1コーナーでバラバラに分解しても困るので、パドックで試走してみることに。

 なんというか、感想はただひと言「怖い!」(笑)。阿部さんは運転してるので感じなかったのかもしれませんが、パッセンジャー側は前足の下にタイヤがないので「宙ぶらりん」感がハンパないんです。グリップは付いているものの、剛性感はまるで豆腐のよう。シートもフカフカ。というかグラグラ? 

 試走も終えて、ついにコースイン。スピード感はとてもあるのに、いつまでたっても馴染みのコーナーに辿り着きません。いつもの筑波サーキットが3倍以上におっきくなっちゃった……悪い夢を見ているのでしょうか。

 今までサイドカーのレースはなんとなく見たことがありましたが、パッセンジャーが体重移動をしているを見て「そんな大袈裟な」と思ってました。ですが、このモトコンポサイドカーは、僕も積極的に体重移動しないと、僕の本能が「横転するぞ!」と訴えかけてきます。まさか40近くになって、今まで聞いたことのない本能の叫びを聞くことになるとは(笑)。一生懸命体重移動します。右コーナーだと、一瞬「チュンッ」と運動靴の踵が擦れます。

 タイムは前述の通りですが、体感的にはもっと長く、20分くらいかかっていたのではないか、と思ったので想像以上の速さだと思いました。貴重な経験をさせていただきました。次の目標は鈴鹿サーキットですね、阿部さん!

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