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ブームに乗せられて買った「旧車」が生む悲劇! 中途半端な覚悟では歩めない茨の旧車道

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: トヨタ自動車/日産自動車/高桑秀典

ずっと欲しかったモーリスはあまりにも部品が高く……

 続いて、大学時代からの親友である植木くん(50歳)の話だ。彼はずっと欲しかったADO16シリーズのモーリス1100を約1年前に購入した。本当はヴァンデン・プラ・プリンセスやMGの1300が欲しかったが、軍資金の問題でモーリスをチョイスしたのだ。

 大学時代からの念願だったモーリス1100を買ってはみたもののADO16シリーズの特徴的な機構であるハイドロラスティック・サスペンションの基幹をなすディスプレッサーユニット(クラシックミニのラバーコーンに液体を封入したようなもの)がヘタっていた。

 ハイドロが生きていると路面の凹凸を吸収し、車体があまり姿勢を変えることなくコーナーをキレイに曲がってくれたりするのだが、それを味わえなかったのだ。

 ディスプレッサーユニットはパーツ代が高い(4個必要だが、1個6万円ぐらいする)こともあり、半年前にモーリス生活を諦めた植木くんは、現在、初代ルノー・トゥインゴに乗っている。

 最初期のOHVエンジン仕様なので、もうすぐ30年落ちだが、2ペダルMTの“イージー”ではなく5速MTの“パック”にしたので、しばらくの間は平和に過ごせるだろう。

イメージとリアルな世界での現実は異なる旧車ライフ

 クルマに詳しくない人のなかには、旧車を最新の国産車を扱うように気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか半年から数年で廃車にしてしまう心無い人もいる。

 筆者は1974年式のアルファロメオGT1600ジュニアを24年前から愛用しているが、ずっとヒーヒー言いながらクルマエンゲル係数が高い生活を送っている。子どものころからの夢や他者から得たイメージとリアルな世界での現実は異なり、旧車はハンパな覚悟や不純な動機では走らないのだ。

 旧車に対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ昭和のクルマをパートナーとした楽しいカーライフが成立するので、これから国内外の旧車をゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでほしい。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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