驚くなかれ旧車のほうが維持がラク! 数十年後の最新車を待ち受けるやっかいな現実とは (1/2ページ)

驚くなかれ旧車のほうが維持がラク! 数十年後の最新車を待ち受けるやっかいな現実とは

今の新車はハコスカのように長く乗り続けることができるのか⁉

 新しいクルマよりも古いクルマの方が維持しやすい。こう書くと「そんなワケないだろ‼」と速攻突っ込まれそうだが、今回は新車VS旧車の比較ではなく、今、新車を買って50年が経過したときに、今のマーケットで人気のハコスカ(3代目スカイライン)やケンメリ(4代目スカイライン)のように長く乗り続けることができるか、という話。定期的に新車に乗り換えるという方は「へぇ、そうなんだ」と思いながら読んでください。

電子制御ユニットの製造廃止が維持する上でやっかいな存在に

 まず、新しいクルマよりも古いクルマの方が維持しやすいかと問われれば、それはオーナーの気持ち次第だろう。新しいクルマは技術革新によって壊れにくくなった。15年くらい前のクルマはいまだ街なかで見かけるし、自動車検査登録情報協会調べによる平均車齢が年々伸びていることからもそれは明らかだ。

 ただし、40~50年乗るとなると状況が変わる。極端にいえば、新車を買って一生乗り続けたいのなら、備えあれば憂いなしの精神で同じクルマを部品取り(ドナー)としてまるっともう1台手に入れて大切に保管するか、最低でも自動車のあらゆる部分に組み込まれている制御ユニットを一式用意しておくほうがいい。

 それはなぜか。クルマを長く維持する上で何より困るのは純正部品の製造廃止。一般的には生産終了から15年まではほぼ問題ないが、一部の人気車(ここでは一定程度部品が流通するクルマ)を除けば20年以降になると、極端に部品供給状況が悪くなる。傾向として内装は早めに供給が止まり、クルマを動かすために必要な部品は最後まで残る印象だ。

 フルオリジナルにこだわらなければ、ブレーキやサスペンション、シートなどはサードパーティでまかなえるが、メーカーでしか作れない部品がどうしてもある。その筆頭がECUなどの電子制御ユニットであり、新しいクルマを長く乗り続けるには厄介な存在になる。

【関連記事】総数72台の歴代「ジープ」が集結! 「ウィリス」から「ラングラー」までそろった「ジープジャンボリー」のアウトドアな1日とは

旧車向けのサスペンション画像はこちら

劣悪な環境下にあるECUの寿命は15~20年

 現行車はさまざまな先進機能、安全デバイスの標準化が進み、それを制御する数多くのECU(最近は車両に散らばるECUを集約化する動きがある)が存在する。ひと昔前までは各ECUが独立配線となっており、例えばABSの電子制御ユニットに不具合が生じても走らせることはできた。

 だが、2000年以降に普及が進んだCAN通信では配線が集約。軽量化、コネクターの接触不良改善、通信速度のアップなど数多くのメリットを生んだ。しかし、ECUが数珠つなぎに接続されているため、1カ所でも不具合が生じるとクルマが動かなくなってしまうデメリットもある。つまり、部品供給が止まればクルマを維持していくことは事実上無理となる。

CAN通信のイメージ画像はこちら

 また、クルマのECUはパソコンなどと比べると使用環境は劣悪で、使用環境にもよるが耐用年数は15~20年程度と言われている。もちろん、その年数が経過したらパタリと止まるわけではないが経年劣化は確実に進んでおり、1980~1990年代のクルマを中心に不定愁訴的なECUの不具合が年々増えている。しかも、そのトラブルの原因がECUであると、たどり着くまでに時間が掛かるので面倒なのだ。最近は自動車ECUを修理する業者もあるが、機械は壊れるものであり、いつとは言えないがいずれは寿命を迎えるのだ。

CPUを直しているイメージ画像はこちら

アナログな旧車は構造がシンプルで修理も補修も容易

 ならばどうすればよいか? と問われると、冒頭でお話ししたドナーとして同じクルマをもう1台持つ、電子制御ユニットを(製造廃止になる前に)予備として一式保管するにつながるわけだ。動かさないクルマをもう1台所有することは一般的には現実的ではない話だが、人気車ならマーケットに残るものの、不人気車は次々とスクラップになり、純正部品の製造廃止も早くなるので不安が残る。現在のクルマは耐用年数も長いので、1台まるまる手元にあれば壊れた際に部品も移植でき、末永く楽しめることは間違いない。実際に部品確保のため何台もストックしている強者も存在する。

古いクルマの電装品画像はこちら

 ここまで読み進めてもらえれば、一生乗り続けるには古いクルマのほうが維持しやすいというのもぼんやりとは、理解いただけたのではないだろうか。

 古くなれば古くなるほどアナログで構造はシンプル。パーツの脱着も楽だし、配線を新たに引くにしても本数が少ないため容易で費用が抑えられる。パネル類も当時の素材は脆弱で、錆対策などが不十分で腐食しやすいが、クラッシャブル構造や衝突安全など考えた複雑な造形になっておらず、新規に製作する場合も容易。部品の修理や補修も、手間暇はかかるがある程度までは復元も可能なのだ。

旧車のエンジンルーム画像はこちら

 もちろん、メインのフレームの腐食やエンジンやキャブを含めた主要部品の供給が困難など、問題はないわけではないが、オリジナルに拘らなければエンジンのスワップやインジェクション化など色々な手法がある。これもシンプルな構造ゆえにできる芸当だ。また、オーナー同士のネットワークも構築されており、維持していくための情報共有も進んでいる。