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デイトナの愛称は本名より有名! 当然億超えの「フェラーリ365GTB/4」とは

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/FERRARI

レース結果を新車のプロモーションに活用

 250シリーズから275シリーズを経て、1968年に登場したV12エンジンを搭載するフェラーリのフラッグシップモデルが365GTB/4でした。250=3L、275=3.3Lと同様に、365も1気筒当りの(大体の)排気量を示す3桁の数字がシリーズのネーミング。正確には81.0mmφ×71.0mm×12気筒で4390㏄となっています。フェラーリ250GT

 ちなみに、GTBのGTはグランドツーリングで、Bはベルリネッタ(クーペ)を示しており、オープンボディのスパイダーはGTS。最後に付く/4はツインカム(V型だから正確には4カム)を意味しています。まだトップレンジが275シリーズだった1966年に、フェラーリの市販モデルとしては初めてツインカムが採用されたときに275から275/4へと発展して以降、トップモデルのネーミングに使用されてきました。フェラーリ275GTB/4

 365GTB/4のV12エンジンは4390㏄の排気量から352psを捻り出していていました。このパワフルなV12エンジンをフロントに搭載した365GTB/4は、最高速が280km/h(カタログ値)に伸び、来るスーパーカー対決にも備えは十分でした。そしてこの365GTB/4の愛称がデイトナでした。

 そう、デビュー前年のデイトナ24時間でフェラーリが、1-2-3が並走する見事な“デイトナフィニッシュ”を飾ったことに因んでのネーミングでした。考えてみれば、レース結果を新車のPRに活用、それももっともスマートに展開したことでは史上最高のプロモーションでした。

今でも非常に高価格で取引されている

 エクステリア・デザインに関しては、ロングノーズに続くショートキャビンの後端を、スロープダウンさせながらスパッと切り落とす、スポーツカーの文法通りの基本シルエットは、前身となった275GTB/4と同様でした。フェラーリ365GTB/4デイトナ

 ピニンファリーナのチーフデザイナーだったレオナルド・フィオラヴァンティが手掛けた365GTB/4のボディデザインは、充分にモダンで革新的ですらありました。空力に配慮して4灯式ヘッドライトをノーズに埋め込んでプレクシグラスのパネルで覆っていたのが特徴的です。

 残念ながら後期モデルでは主要マーケットである北米の安全基準に合致させるために、コンサバなリトラクタブル式ヘッドライトに変更されていました。リトラクタブル・ヘッドライト仕様

 ル・マン24時間レースのGTクラスで1972年から3年連続クラス優勝を達成するなど、レースでの輝かしい活躍もあります。自動車雑誌での評価はとても高く、それが原因で現在でも非常に高価格で取引されているようです。フェラーリ365GTB/4デイトナ

 2017年には岐阜県の民家の納屋で眠っていた個体が見つかり、サザビーズの競売では180万7000ユーロ(邦貨換算で約2億3000万円)の高値で落札、とのニュースが流れたことも記憶に残っています。フェラーリ365GTB/4デイトナ

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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