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なんと驚きの50億円オーバー! わずか39台しか生産されなかったフェラーリ250GTO

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/FERRARI

古典的なシャシーにフェラーリ内製の流麗なボディを架装

 ということで、そろそろ250GTOそのものについて紹介していきましょう。シャーシ(ボディ)に関してはフレーム付きとしている資料もありますが、鋼管スペースフレームとモノコックとのハイブリッドというべきでしょうか。鋼管フレームとアルミパネルを成型してできあがった外皮パネルを組み合わせています。フェラーリ250GTO

 これに組付けられたサスペンションはフロントがコイルで吊ったダブルウィッシュボーンの独立懸架で、リヤはリジッドアクスルをラジアスアームで位置決めしてリーフスプリングで吊ったタイプでした。意外にもプリミティブなスペックとなっています。やはりクルマは単にスペックでパフォーマンスが決まるって訳じゃないのでしょう。フェラーリ250GTO

 搭載されたエンジンは250ユニットと呼ばれる3Lの60度V型12気筒。シングルカムのOHCで、最高出力も280psに過ぎませんでした。もちろんレースに出るとなればさらにチューニングが施されることになるのでしょうし、車両重量がわずか950kgに抑えられていたために、ベースモデル(ロードゴーイング)としてはそれで充分だったのでしょう。フェラーリ250GTO

 そんなV12が収まるロングノーズから流麗なラインでテールに流れるシルエットは、フェラーリの社内デザインだと伝えられています。一連のフェラーリを手掛けてきたピニンファリーナの作品と言っても通用する出来栄えです。この時代には珍しく空力にも充分心が配られ、当時フェラーリのドライバーだったリッチー・ギンサーが提案したと言われるリベット止めしたリヤスポイラーと、フロントノーズの先端に3つ並んだエアインテークがスタイリング上での大きなポイントとなっています。フェラーリ250GTO

 最後に250GTOというネーミングについても紹介しておきましょう。当時のフェラーリのネーミングの法則通りで、250は1気筒当たりの大体の排気量で、これに12(気筒)を掛けて3L(正確には73.0mmφ×58.8mmの12気筒で2953cc)となるわけです。

 GTOはGran Turismo Omologato(GTカーとして公認された、の意)の頭文字を繋げたもので、のちにグループBの公認を取得した288GTO(フェラーリ的には単にGTOが正式名称ですが、250GTOと区別するためにこう呼ばれています)や、こちらは公認には関係ないもののフェラーリ史上最速のロードカーとされている599GTOなどがよく知られています。フェラーリ250GTO

 さらに他メーカーでもポンティアックGTOや三菱のギャランGTOなどがありますが、こちらも車両公認とは関係なく、フェラーリの250GTOに倣ったものでしょう。

 4Lエンジンを搭載したモデル3台を含めても総生産台数は39台と極めて少なく、またレースにおける活躍などその経歴も見事なため、オークションでは最初に触れたような高額で落札されるのでしょうか。マラネロにあるフェラーリの博物館にも何度か訪れましたが、ワイヤリングでクルマのシルエットを描いた展示モデル(オブジェ?)を」見かけただけで、250GTOの実車には、残念ながらこれまでに一度もお目にかかっていません。フェラーリ250GTO

 フェラーリ本社にも収蔵されていないのか、それとも門外不出の1台となっているのでしょうか?

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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