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もはやディーラーは頼れないからパーツはオーナー同士で流通! BMW「マルニ」オーナーは絆が大切だった

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

清水俊夫さん:1974年式 BMW 2002ターボ

 1972年式のBMW 2002タルガ(現在仕上げ中)、1984年式のアルピナ B7ターボ(E28型)、2018年式のポルシェ パナメーラ、2014年式のスズキ ジムニーも愛用している清水さん(64歳)は、2006~2007年にかけて2002ターボを購入した。BMW 2002ターボ

「自分のマルニは普段乗りはしていません。走らせるシーンは、マルニ倶楽部のツーリングが一番多いかな。ほかにはゴルフ場に行ったりしています。車庫での待機時間が長いときは、近所を走る感じですかね。現在はクルマが仕上がっていますので、維持費は毎年の税金とオイル費用ぐらいです。毎年のように上がる税金は本当に困りますね」

「メンテナンスがしっかりできている個体を所持した場合、維持費はオイル交換などの一般的なクルマにかかるコストと同じだと感じています。とはいえ、やはり50年ぐらい前のクルマなので、個体によりますが、各部のメンテナンスが必要ですし、それに伴う部品代や整備料は少し高額になると思います」

 購入直後の清水さんのマルニターボはトラブル続きだったという。

「私の2002ターボの場合、最初のうちはトラブルとの追いかけっこでした。でもそれを仕上げていくのが楽しいんですよ。これは、大きなトラブルって言うのかな? 購入後、数年にわたって乗り回している間に白煙の量が多くなり、初めは添加剤で直るのかと思っていたのですが、結局ダメだったので、まずエンジンヘッドを下ろしてOH。以前からの白煙は収まったものの、一年ぐらいしたら、またもや白煙が多くなったので、今度はエンジン本体を下ろしてボーリングを実施しました。このときのOHがトラブルと言えばトラブルかな?」BMW 2002ターボ

「そんな感じで、自分のマルニも一年以上さまざまなパーツを交換し、メンテナンスしながら走っていました。でも、結局エンジンのOHをしないと耐えられない状態になってしまったのですが、現在は絶好調で走っています。すべて自分でメンテナンスをしていますので、マルニ君に対する愛着は100%。整備費用は部品代だけです」

 パーツ事情について尋ねてみると、次のようにコメントをしてくれた。

「パーツは、以前、知り合いの工場経由で部品問屋にオーダーしていましたが、十何年前からはドイツやアメリカから取り寄せています。最近では東南アジア方面からも取り寄せができるみたいです。マルニの各パーツは、50年前のクルマとは思えないほど流通していると思います。しかし、重要な部品は入手するのが難しいですね。でも、マルニ乗りのつながりがあり、大変助かっていますね。もちろん、自分のストックパーツも困っている方に譲っていますよ」BMW 2002ターボ

「アナログ時代のクルマなので特に苦労はありませんが、機械式インジェクションなので、初めのうちは調整方法が分かりませんでした。いまは大丈夫です。ただこれは、自分が昔整備士だったことから述べることができる見解です。いまのクルマは、ちんぷんかんぷんです」

「自慢できるるポイントはとくにありませんが、旧車に乗っている方々は自己満足で所有してるのでは、と思います。総合的にマルニを含めた旧車に乗るには、維持費はかかると考えた方がいいかもしれません。仕上げてある旧車は別ですが」と話してくれた。

松井大祐さん/里穂さん:1972年式 BMW 2002tii

 マニア垂涎の名機であるALPINA A4エンジンを入手済みだという松井さん(36歳)は、2013年から2002tiiを愛用中。1967年式のBMW 1600も2014年から所有しているそうだ。BMW 2002tii

「2002tiiは休日のドライブに使っています。年間の維持費は、車検、自動車税、保険代など込みで約25万円ぐらいです。これまでにビッグトラブルが発生したことはありませんね。純正パーツや社外品がまだまだ手に入るので、部品にはとくに困っていません。クーラーが付いてないので、夏は暑くて乗れない点が苦労しているポイントですかね」と話してくれた。BMW 2002tii

OSさん 1975年式:BMW 2002ターボ

 ディーラー車の2002ターボに2000年から乗っているOSさんは現在62歳。2011年に購入したアルファロメオ GT1300ジュニア(1972年式)、2020年に購入したスバル インプレッサ(2015年式)も愛用している。BMW 2002ターボ

「2002ターボは、ツーリングや夜間の近所ドライブが普段の使い道です。年間の維持費は15万円ぐらいです。ビッグトラブルはとくになし。デスビキャップが割れたぐらいですね。ターボ専用のパーツは、このところ、かなり少なくなってきています」BMW 2002ターボ

「とくに苦労はなく、楽しいことばかりです。古いBMWを知り尽くしているメカニックのおかげだと思います。心配ごとは、なかなかいないメカニカルインジェクションをきちんと調整できる熟練メカニックの高齢化ですね。いつまで診てもらえるのか心配です。そして、BMWがクラシックの部品をどんどん値上げすることも気になりますね。2002ターボは、トルクのあるエンジン、信頼できるブレーキ、剛性のあるステアリング系などで楽しく安心して運転を楽しめることが魅力です。ボディのサイズ感もいいですね」とのことだった。BMW 2002ターボ

 ドイツ製ということもあり、筆者が愛用しているイタリア製の旧車(1974年式のアルファロメオ GT1600ジュニア)よりも丈夫で、維持費も少なくて済むBMW 02シリーズは、クラシックカービギナーも安心して購入できる逸材だといえるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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