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ターボエンジンはブースト圧を上げればいいってもんじゃない! どうして「ブーストダウン」した方が速くなる?

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 加茂 新/Auto Messe Web編集部

ブーストダウンしたほうが速く走れることがある

 しかし、じつはブースト圧を下げることもある。そして、それはエンジン保護が目的ではなく、速く走るためにブーストダウンをすることがあるのだ。その理由がタイヤのグリップとの関係にある。

 ありがちなのが、リヤ駆動車でサーキットの1本目「まずは様子見だから、ローブーストモードで走ろう」と走行。走行2本目で「よし、本気だ、ハイブーストにして一気にタイムアップ!」と思ったら、なんとタイムが下がったという話だ。

 気合いを入れてハイブーストにしたら、リヤがスライドしてドリフト状態になり、前に進まずタイムダウンしたという例は大変多いのだ。

 ハイブーストだと鋭くパワーが出た瞬間にリヤタイヤがブレイクしてしまうので、しっかりと向きが変わってから──つまり、ほぼストレートに入ってからアクセルオンすることになる。

 ならば、むしろブーストダウンして、早めからアクセルをじんわり開けて行ったほうが良い。低めのブースト圧にして、コーナー立ち上がり途中からアクセルを踏んだほうが、ピークパワーは劣っても早くから加速が始まるので結果的にストレートでも速くなってしまうのだ。

コースの走り方に合わせてブースト圧を変える

踏めないパワーは無駄!

 踏みこめない程のパワーは遅くなるだけでなく、タイヤも減りやすい。駆動系にも負担が掛かる。エンジン本体にも決して良くない。と、このような理由から、レースでは最高ブースト圧よりも下げて走るのは珍しくない。むしろ、安定したラップタイムを刻みやすく、トータルでは速くなってしまうことさえある。

 レース界で有名なセッティングエンジニアも「踏めないパワーは無駄」と、限界までセッティングを確認したあとは、ドライバーがどれだけ踏めているかを確認しながら、ブースト圧をバンバン落としていくという。速く走るためのブーストダウンもアリなのだ。

サーキットでのセッティングはマイナス方向も試してみよう

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  • コースの走り方に合わせてブースト圧を変える
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  • ECUチューンの次はタービン交換
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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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