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いすゞ「117クーペ」に憧れて初代「ピアッツァ」を購入! 元カーマニア少年が所有してわかった名車の魅力とは

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ボディ剛性の低さは玉に瑕だが美しく未来的な姿形は魅力的

 室内に目を移すとサテライトスイッチと呼ばれる、ステアリングから手を離さないで灯火類やウインカー、エアコンなどが操作できる機能が先進的。センターコンソールにあるのはオーディオだけで、そこそこスポーティなシートはそれでもしっかり身体をホールドしてくれた。それはステアリングも同様で、2本スポークのステアリングホイールは径こそ小さいがスポーティで扱いやすく、走りに集中させる仕立てが満載だった。ボルト&ナットの時代のクルマながら、美しくて未来的。いま振り返っても魅力は満載だった。

 走りはというと、当時の自動車雑誌のレポートが正しいことを所有してみて実感。伝統の2L直4 G200型DOHCエンジンは、当時としては珍しいホットワイヤー式のエアフロセンサーや自己診断装置などを備えており、最高出力135ps/最大トルク17.0kg-mという数値が示す通り、特段高性能というものではなかった。

 ボディはそれを発揮させるまでもなくなんとも頼りないもので、エンジン性能云々の前にボディの剛性がなかった。2オーナーを経て7万kmを目前とした中古車だったから仕方がないものの、タイヤは当時憧れのピレリP7の14インチを履いていた影響も大きかったのかもしれないが「ピアッツァはボディ剛性が弱い」という自動車雑誌の論評は本当だったのだ。つまり普通に街なかを走る分には十分楽しいものの、峠道は不向きのクルマであった。

スイッチ類の直感的な操作性はいま振り返っても秀逸だった

 トラブルといえば、なぜかウインカーの点滅が速くなってしまい、ダイアグノーシス(診断機)で調べたらバルブ切れだった。それを教えてくれたのはいすゞディーラーであり、顧客として登録された結果、いすゞが乗用車から撤退する際に、丁寧なお手紙を頂くことができた。

 総評するとピアッツァは、街乗りクルマとして愛せれば素晴らしい相棒だった。

 リヤハッチは開口部の位置が少々高いものの、十分に荷物を積むことができるし、日常の足として走らせるのであれば、美しいクルマの運転を常日頃から味わうことができた。

 また、ピアッツァの美点として触れなくてはならないのが操作系の秀逸さ。豊富なスイッチ類は扱いやすく、(最新の)タッチパネルで複雑な階層操作をさせるよりも直感的で操作しやすい。免許を取りたてのころの筆者は後輪駆動のMT車で、さらに美しいクルマを所有できた喜びは大きかった。唯一、年老いた親族を後席に乗せたときに乗降性の不便さに申し訳なく思ったくらいで、そのせいで次のクルマは4ドアセダンにしようと決意した次第。初代いすゞピアッツァのコックピット

 そうしてコミコミ30万円で購入したピアッツァは、大幅な値引きに加えて20万円という高い下取り価格で日産HNP10プリメーラT4の頭金となったのである。今でもまれにピアッツァを見かけると惚れ惚れする。やはり美しさというのは時代を経ても不変なのだ。

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