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メルセデスのコンセプトカーを市販化!? 世界に14台しかない「イズデラ」スパイダーとは

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

CW311市販化への夢が捨てられず

「イズデラ(ISDERA)」というスポーツカーメーカーの存在を知る人は、はたしてどれだけいるだろうか。イズデラとは、ドイツ語で「Ingenieurbüro für Styling, DEsign und Racing」、スタイリング、デザイン、そしてレーシングのためのエンジニアリング・オフィスを意味する社名である。創始者であるエーベルハルト・シュルツは、エンジニア、またデザイナーとしてのキャリアをポルシェでスタートし、その後メルセデス・ベンツへと移籍。ここでコンセプトカーのCW311の開発に携わった。

生産台数14台のスパイダー

 しかしメルセデス・ベンツは、結果的にこのCW311の市販を断念。その魅力に並々ならぬ感情を抱いていたシュルツは、そのプロジェクトを譲り受けると、チューナーのライナー・ブッフマンとともに「B&B GmbH & Co Auto KG」社を設立し、ここでCW311の開発を継続したのだった。メルセデス・ベンツの象徴である、スリーポインテッドスターのエンブレムがフロントグリルに輝いていたのは、その宣伝効果を期待してのことだったという。

 ブッフマンとの共同作業は1982年まで続き、この年シュルツは新たにイズデラ社を設立するに至った。同年後半にはイズデラにとっては初の量産モデルとなる「スパイダー033i」が発表されるが、これはエキゾチックで先進的なフォルムを持つもので、カスタマーからの依頼に応じてハンドメイドされるモデルだった。

 リヤミッドに搭載されたエンジンは、メルセデス・ベンツから供給された1.8Lの直列4気筒。1985年にはその進化型ともいえる2.3Lの直列4気筒エンジン搭載モデル「033-16」もデビューを飾り、さらに1987年のジュネーブ・ショーでは、このスパイダー・シリーズの最終進化型となる3Lの直列6気筒エンジンを搭載した「スパイダー036i」が披露されたのである。

 参考までにその最高出力は217ps。3世代にわたるイズデラ・スパイダーの生産台数はわずかに14台と、モナコ・オークションの主催者であるRMサザビーズは発表しているが、生産台数の少なさは、一台一台をハンドメイドし、完成までに一台あたり12か月という時間を必要としたことが直接の理由と考えられる。

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