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1000万円以下で泥沼フェラーリ生活!? 素人が手を出してはいけない4座フェラーリ「365GT4 2+2」とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

正統なフェラーリのフラッグシップ

 新車や由緒あるクラシックモデルはもちろんのこと、いわゆる中古車であっても高騰の一途を辿るフェラーリの価格。でも、今なお1000万円で手の届くモデルが無いわけではないようだ。さる2022年5月、クラシックカー/コレクターズカーを取り扱うオークションハウスとしては業界最大手のRMサザビーズ欧州本社がモンテカルロ市内の大型見本市会場で開いた「MONACO」オークションに出品されたゴージャスなV12クーペ「365GT4 2+2」を俎上に乗せ、1000万円コースのフェラーリについてお話しさせていただこう。

実用的なリヤコンパートメントを持った、初めてのフェラーリとは?

 イタリア的「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」を体現した華やかさと、スポーツカーにふさわしい動力性能。そして長距離ドライブにも好適な、実用的な室内レイアウトを求める富裕層にとって、フェラーリのフラッグシップたるべきモデルはつねに、2+2のV12グラントゥリズモであった。中でも、今からちょうど半世紀前、1972年にデビューしたフェラーリ「365GT4 2+2」は、現在の「GTCルッソ」に至る近代2+2フェラーリの源流ともいえるだろう。

 1972年のパリ・サロンにて本格的4シーターGTとして誕生した365GT4 2+2は、前任にあたる「365GTC/4」の2500mmから2700mmまで延長されたホイールベースを生かしたフル4シーター。スタイリングはフォーマルなノッチバック型とされ、類まれなエレガンツァと高い実用性を両立したモデルである。

 そのかたわらV12エンジンは、365GTC/4譲りの4.4L 4カムシャフトで、最高出力は340psを発生。5速MTのみが組み合わされ、パフォーマンスでは365GTC/4から大きく後退することはなかった。

 ボディデザインを指揮したのは、当時ピニンファリーナに所属していた名デザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティとされる。そして、彼が今なお自身の傑作と称するピニンファリーナ製クーペボディは、同時期のピニンファリーナ作品である「フィアット130クーペ」や「ロールス・ロイス・カマルグ」など、アルド・ブロヴァローネやパオロ・マルティンら、ピニンファリーナの名だたるスタイリストたちとともに構築したデザイン哲学を反映したものといえよう。

 ところでこの時代のフェラーリでも、スポーティなベルリネッタモデルはモデナの「スカリエッティ」で架装されていたのだが、これらゴージャスなGTはデザインワークを担当したピニンファリーナが、自らコーチワークまで行うのがならわしだった。トリノ近郊に設けたワークショップにてインテリアも備えた車体を架装したのち、すべてがマラネッロのフェラーリ本社工場に送られ、機械部品の組み立てが完了することになっていたのだ。

 1976年になると、365GT4 2+2はV12エンジンを4.8Lに拡大した「400GT(5速MT)/400AT(3速AT)」に発展。1972年から1976年の間に製作された365GT4 2+2は525台と、当時のフェラーリとしてもかなり少ない台数であった。

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