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「カーボン」と「チタン」は値段が高いだけの効果はあるの? アフターパーツで取り付けるメリットとデメリットとは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: BMW AG/ニスモ/AMW編集部

  • BMW M4 CSLのカーボンルーフ

  • TRD 14R-60のカーボンルーフ
  • チタンマフラー
  • BMW M4 CSLのカーボンルーフ

高額な素材だけに少しでも体感したい!

 チューニングパーツで人気が高い素材といえば、誰もがカーボンとチタンを思い浮かべるはず。いずれも一般的な樹脂や金属の素材より極端に軽いうえ、レーシーな見た目と質感は所有欲をも満たしてくれる。

 しかし仮に1tのボディが10kg軽くなったとして、ドライバーは違いを体感できるのだろうか。知ってのとおりカーボンやチタンのアイテムは高額で、誰もが気軽に手を出せる価格帯とはいえないのが現実。どんなユーザーであれば手に入れる価値があるのか、そして軽さ以外にメリットはあるのかを考えてみたい。

究極のドライカーボンは軽いが高額

 まず炭素繊維の複合素材であるカーボンは、大きく分けてウェットとドライのふたつがある。市販車用のチューニングパーツはおもにウェットカーボンという、炭素繊維をプラスチック樹脂で固めた素材を使っており、重量や強度はFRPと同等で炭素繊維の分だけ価格は少し高め。それでも鉄製の純正ボンネットと比べれば軽さは半分くらいであり、大半はカーボン地が見えるクリア塗装でドレスアップ効果も高い。

 一方ドライカーボンは、樹脂を浸透させた炭素繊維を高い圧力をかけながら焼いて形成し、ウェットカーボンを大幅に上まわる軽さと強度をもつが製作に必要な設備も大がかりだ。必然的に価格はウェットカーボンやFRPと比較にならず、スーパーGTやF1のような本格的なレーシングカーや高額なハイパーカーやスーパーカー、さらにはスペースシャトルのような宇宙産業がメインとなる。

TRD 14R-60のカーボンルーフ

 つまり一般ユーザーにとっての選択肢は、ウェットカーボンまたはFRPと考えていい。前述したとおり強度や軽さに大きな差はないので、カスタムしていることを大々的にアピールするならウェットカーボン、見た目はあくまでもノーマル風に仕上げたいならFRPがいいだろう。

チタンは腐食にも強いが変形には弱い

 もうひとつは金属素材のチタン。クルマでもっとも多く使われている部分はマフラーで、鋼鉄の約55%という質量や、塩分や酸に対する耐腐食性、金属疲労を起こしにくいなど数々のメリットが存在する。またヒートグラデーションと呼ばれる、加熱による独特の青っぽい色彩も人気。

チタンマフラー

 ちなみに軽さだけでいえばアルミのほうが上(同じ質量ならチタンが約60%重い)だが、強度はアルミに対し約2倍もあるためチタンのほうが薄く軽い製品を作ることが可能なのだ。

 ただし変形に対して弱いというウイークポイントがあり、大きな力がかかるサスペンションなどには採用されていない。運動性能に大きく影響するバネ下を軽くでき、融雪剤のおもな成分である塩分による腐食に強く、ステーで吊り下げるだけで大きな入力のないマフラーの素材としてチタンが人気なのも、上記の特徴を考えれば至極当然かもしれない。

 チタンは加工が難しいため価格が跳ね上がり、同じ車種でレイアウトが一緒な場合、価格は2倍~が相場。当然ながら素材で排気効率が変わるワケでもないので、そこまで軽さにこだわらない人ならステンレスや、テールの部分だけチタンを使ったマフラーでもいい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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