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【特別インタビュー】アフターパーツ業界の未来を「NAPAC」高瀬嶺生会長が語る。「規制があるからこそ良いものが生まれる」

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: 神村 聖

規制緩和はアフターパーツにとって是か?

 車検制度があるからこそ、高品質のアフターパーツが生まれたという高瀬会長の分析は、制限があるからこそ優れた作品が生まれるというアートと同じ図式が成り立っているのが分かる。つまり、カスタマイズパーツの開発・製品化はクリエティブな営みにほかならないということだ。では、規制が緩和されるということは、マイナス面の方が目立ってしまうのだろうか。

──1995年の規制緩和は、クルマのアフターパーツ業界にとって大きな転換となったと思います。業界的にどのような影響があったのでしょうか。

「1995年の法改正によって規制が緩和されたとき、一般的には市場が大きく広がるという面が注目されていました。それはつまり、アフターパーツの開発や販売をするときの業界参入へのハードルが下がる、ということでもありました。その流れは、それまできちんと仕事をしていたブランドからすると、価格は安いが品質も良くないパーツにシェアを奪われてしまうということにも繋がりかねない状況となりました。

 もちろんこの規制緩和は、カスタマイズというものを一般に知らしめるという意味での効果は大きいわけですから、ここで大事なのは品質のいいもの、安心・安全なものを使わなければ、最終的にカスタマーが損をする、という正しい認識を持っていただくことだと思っています。

 そのためNAPACとしてはこれからも、積極的な広報活動を続けていく予定です。2022年にはTwitterを利用した情報発信をはじめましたし、Youtubeにカスタマイズパーツの効果を示す動画をアップするなどといった動きをはじめています」

クルマのアフターパーツの未来は?

──クルマの技術的な進歩は日進月歩です。ICEからEVへと転換しつつありますが、カスタマイズパーツ業界は現在の状況をどのように捉えていますか?

「現在のクルマはさまざまな情報を統合制御しています。そのため、アフターパーツを開発する際にはそれをクリアできるユニットをつくる必要がある場合もあり、それがコストアップの要因となりがちです。

 ところが──私の本業の話になりますが、トヨタはGR86を開発するにあたって、ブリッドと一緒にシート交換しやすいクルマづくりをおこなっています。つまりトヨタは、われわれのようなアフターパーツ業界も含めた、自動車産業全体を盛り上げることを考えているわけです。NAPACはそれに応えられる安心・安全なパーツ開発を続けていかなければなりません。

 こうしたことと同時に、NAPAC走行会の開催も続けていくことで、サーキットで走ることを愉しむユーザーを増やしていき、スポーツユーザー層も広げていくことを考えています」

* * *

 自動車業界はいま、電動化も含めた変革が起きつつある。さらに、クルマに対する消費の減少も明らかだ。そのため今後は、新たな技術に対応した確かなモノづくりと、海外市場も含めた販路の拡大が必要となってくる。そのときに大事なのは、高い技術を持った製品の開発だ。NAPACはその点を見据えた活動をアフターパーツ業界全体として続けていく。製品のパッケージや本体に入れられたNAPAC(ASEA・JAWA・JASMA)のロゴは、安心・安全を表すものなのだ。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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