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米国「ルート66」は最低10日で全線走破可能!? たっぷり満喫するための予算や注意ポイントをお教えします【ルート66旅_66】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • イリノイ州シカゴ。東からのスタート地点は年代によって3カ所あり、現在はアダムス・ストリートとミシガン・アベニューの交差点だ
  • イリノイ州ポンティアック。ルート66を旅しながら暮らしたアーティスト、ボブ・ワルドマイヤー氏の愛車がミュージアムに展示中
  • ミズーリ州セントルイス。イリノイ州の側からミシシッピ川とゲートウェイ・アーチを撮影した。このあたりは治安が悪いので要注意
  • ミズーリ州アッシュグローブ。話が弾みいつも帰るタイミングを見失うゲイリー・ターナーさん。2015年に急病で亡くなってしまった
  • カンザス州ガリーナ。廃墟と化したレンガ造りの建物に描かれたコマーシャル。店名と思われる「BUCK'S」の下にはルート66のロゴ
  • オクラホマ州アーケディア。世界中のソーダを販売しているポップスは、2007年オープンの新しい店舗だ。夜間はライトアップされる
  • オクラホマ州マイアマー。リボン・ロードと呼ばれる1921~1922年の古い舗装が残された区間。1929年にルート66の一部となった
  • テキサス州アマリロ。世界的な知名度を誇るアイコン、キャデラック・ランチは落書きが推奨。訪れるときは缶スプレーを持参しよう
  • ニューメキシコ州トゥクムカリ。美しいネオンのブルー・スワロー・モーテルは、創業から100年が過ぎた現在も昔の佇まいを色濃く残す
  • ニューメキシコ州サンタ・ローザ。内陸の街にある深さ約25mものブルー・ホールは、ダイビングの練習スポットとしても知られている
  • アリゾナ州ペトリファイド・フォレスト国立公園。写真はカラフルな砂漠と丘陵が広がる、ペインテッド・デザートと呼ばれるエリアだ
  • アリゾナ州セリグマン。ステージコーチ66モーテルを営むリサとの出会いこそ、私がルート66とアメリカを好きになった最大の理由だ
  • テキサス州グルーム。店舗のPRで給水塔を傾けたところ、ビジネスまで傾き今は更地になっている。固定していない足が何とも不安だ
  • カリフォルニア州サンタモニカ。東からのゴール地点であり西からのスタート地点でもある。こちらから旅を始めるのも大いにアリだ
  • カリフォルニア州アンボイ。約30年ぶりにネオンの光が灯ったロイズ・モーテル&カフェ。運よく再点灯のわずか数日後に撮影できた
  • カンザス州バクスター・スプリングス。ルート66に架かるレインボー・ブリッジは、1923年に建造された古くも美しいコンクリート橋だ

広大なアメリカを東から西へと結ぶ、3755キロに及ぶ大動脈

1926年に創設されアメリカ西部の発展に寄与し、数多くの映画や音楽でも扱われている「ルート66」。役目を終えて1984年に地図の上から消えるも、マザー・ロードを愛する人たちの情熱が結実し、ヒストリック・ルート66として復活を遂げました。東のシカゴから西のサンタモニカまで近隣の名所を含め、筆者の5回に及ぶ全線走破の経験を元に紹介してきたこの連載で、ルート66やアメリカの魅力が少しでも伝わったでしょうか。最終回は、実際に旅をするときに必要な日数や費用、滞在中に気を付けるべきことを解説します。

1回で全線走破するか、何度かに分けじっくり攻めるか

まず時間が許せばチャレンジしてみたい1回での全線走破は、もしルート66を忠実にトレースすることだけが目的なら、現地での滞在が10日間あればおそらく達成できるはずだ。ただし思わぬ出会いがあって予定外の街に泊まったり、ガイドブックに載っていないスポットが見つかるなど、計画どおりに進まないこともルート66を旅する楽しさ。そのため個人的には最低でも2週間は欲しく、寄り道も入れれば3週間が目安と考えている。

だが今の日本でそこまで長い休暇を取るのは、どんな立場であっても現実的じゃないと思う。それなら西もしくは東の半分でもいいし、さらに細かく区切って旅するのもアリだ。航空券代はその都度かかってしまうが中身は濃くなること確実だし、レンタカーの借り出しと返却が同じ営業所なら乗り捨て料金も不要。ちなみに私が最後に全線走破した際のレンタカー乗り捨て料金は、シカゴで借りてロサンゼルスで返して1000ドルと結構な額だった。

航空券は私が年に何度も渡米していた時期よりだいぶ高く、格安サイトの台湾や韓国を経由する便でも20万円くらい。購入するときに注意してほしいのは出発と到着の時刻で、夜の遅い時間に着いたり早朝に発つ便はなるべく避けよう。行動できる日数が減り旅のスケジュールが制限される。

レンタカーは保証がしっかりしている大手で検索すると、インターミディエイトクラスやフルサイズが2週間で17万円~、コンバーチブルなら25万円~が平均的な価格のようだ。当然ながらガソリン代や宿泊代や食事代は必要だし、お土産なども入れれば総予算70~80万円が目安だろうか。

行けるなら、可能なうちにトライしよう

決して気軽に「行ってみよう」と言えない金額だとは承知しているが、資金があり休暇も取れる状況なら「リタイヤ後に」と先延ばしせず、今すぐルート66の旅にチャレンジしてみるべきだと心の底から思う。今後さらに旅費や物価が上がる可能性は否定できないし、自分に思い描いたような老後が来る保証だってないのだ。

私はつねに「できる環境があるのにしなければ死ぬまで後悔する」と考えており、初めてのルート66全線走破もそんな自分なりのルールに従ってのことだった。結果として出会った人たちとの繋がりや素晴らしい風景など、使った金額をはるかに上まわる経験ができたと思っている。

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