レース愛に溢れたNLSの開幕戦
ドイツ在住でモータースポーツを取材している池ノ内みどりさんは、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の取材へニュルブルクリンクへ! GT3からアマチュアチームまで、多様なマシンと人々が集まるNLSの開幕戦。開かれたパドックは、まさに“レースを楽しむ場”そのものでした。
誰でも楽しめる開かれたパドック
NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の開幕戦取材のため、今季初めてニュルブルクリンクを訪れました。今回は日本から取材にいらした方のご厚意で、フランクフルト国際空港からニュルブルクリンクまでレンタカーに同乗させていただきました。私の住むミュンヘンからニュルブルクリンクまでは、片道約540km。往復では2回ちょっとの給油が必要になるので、高騰が続くガソリン代の節約にもなり本当にありがたい限りです。
ニュルブルクリンク2日目は朝8時半に予選開始ということもあり、ホテルでしっかり朝食をとって、いざ出陣! NLSは予選と決勝が同日に行われるワンデーイベントということもあって、長くも充実した1日のはじまりです。予選を目前に控えたピットでは、エンジンを温めるエキゾーストノートが響き渡り、慌ただしく動き回るクルーたちの姿、そして大勢のファンで賑わうパドック……。独特の緊張感が「これぞニュル!」という雰囲気を醸し出しており、ワクワクとゾクゾクが止まりません。
NLSの魅力は、参加台数の多さはもちろん、さまざまなクラスのレーシングカーが混走している点にあります。GT3マシンの登場以降、安全上の理由からコンパクトカーの参戦は減ったものの、多種多様なマシンを見ることができます。仲間内で手弁当で挑む小さなアマチュアチームから、自動車メーカー主導の完全なプロフェッショナルチームまで、その幅広さも魅力のひとつ。ドライバーや車種の多様性も、NLSならではの見どころです。

パドックを歩くと、ペット連れの方から赤ちゃん、レース好きのおじいちゃん、おばあちゃん、車椅子の方まで非常に幅広い層のファンで賑わっています。2025年6月に開催されるニュルブルクリンク24時間レースでは安全上の理由からファンのピット立ち入りは禁止されていますが、NLSではどんな有名人がいてもファンは自由にピットに入ることができます。そのため、ファンはお気に入りのドライバーに声をかけたり、忙しくない時間帯であればサインや写真にも気さくに応じてもらえるなど、非常にオープンでフレンドリーな雰囲気に包まれています。

























































