日産スカイラインGT-Rが蝕まれていく恐怖「過走行トラブルと劣化のポイント」 (1/2ページ)

日産スカイラインGT-Rが蝕まれていく恐怖「過走行トラブルと劣化のポイント」

貴重な愛車と向き合うための秘訣とは?
20万km/30万kmでの消耗部位を知る

日本を代表するスポーツカー、スカイラインGT-R。いまや非常に貴重となってきたR32/R33/R34という第2世代GT-Rはすでに旧車の領域であり、それゆえに今後は本気でメンテナンスが必要となってくる。
そこでプロショップの目線で過走行GT-Rとの付き合い方を伝授。一生涯愛し続けるためには何が必要だろうか。奈良県でGT-R専門のフルレストアを手がける「ガレージヨシダ」の吉田光浩代表に話を伺った。

 

「30年30万kmを迎えることはクルマとして乗用車の領域を超え、距離を走る商用車の枠に入ること意味します。ただ、商用車の機関部品はグリスアップのための分解整備ができますが、GT‒Rのそれはほとんどが非分解。つまり、基本設計は数十万kmを乗ることを想定していません。一方でオーナーの一生乗り続けたいという声は高いのですが、維持していくためには強い意志が必要になります」と、吉田光造代表の顔は曇りがちだ。

「価格高騰や純正部品の製廃が進み、オーナーの不安に拍車をかけるわけではありませんが、走行距離が30万kmにもなれば、何が起こってもおかしくないうえ、各パーツの金属疲労も進んでいるため、部品を交換するなら本体だけでなく、ビス1本まで新品したほうが安心できるでしょう。心構えとして修理することをプラスに考えられないと、維持していくのは難しいですね」。
ただ、掛かる費用はそれまでのメンテナンス履歴の有無で大きく変わる。定期的に予算をかけ、オーナー自らも履歴を付けるなど愛情が注がれたクルマと、乗りっぱなしで整備もそこそこなクルマでは、当然、程度にも今後の掛かるメンテナンス費用にも差がつくわけだ。スカイラインGT-R、メンテナンス、トラブル、ガレージヨシダ、修理、R32、R33、R34

では、なぜ履歴を付けることが必要かと言えば、GT‒Rの部品には耐用年数について明確に謳われていないので、寿命自体が分からないからだ。その規定がないならば、自ら基準を作るしかない(電車やバスの部品には安全に対する明確な規定がある)。
実際にGT-R Magazineの連載企画「10万&20万km倶楽部」に登場するオーナー諸氏はほとんどが、車両カルテを制作している。

「経年劣化を考えれば、すべて手を付ける必要はありますが、一気に直す必要はない。必要最低限のパ ートに分けて作業し、健康な部位を一つ一つ作っていけばいずれは、すべてが仕上がるし、その間に埋められていくカルテが知識となるはず。ただ、カルテをすでに作っておられるオーナーはいいのですが、もし、これから作っていくという場合はエンジンではなく、駆動系から作業依頼をされることをオススメします。仮にエンジンやハーネスに不具合が生じた場合、その場に止まるだけですが、ジョイント部や駆動部が故障するとクルマを止められなくなる=トラブルが生死にかかわるからです」。

まさに今までのトラブルは”どこかで止まったら困る”というものだった。ただ、次の30万km時代は止まってしまうことより、”事故しないように真っ直ぐ走らせる”ことを優先。駆動系やシャシー関係を決めてからエンジンを仕上げるのが今後のスタンダードになりそうだ。

すなわち、年数が経過し、距離を重ねたことでGT-Rのメンテナンス法は大きく変わってきている。
「これまでの使用方法やメンテナンス履歴よっても変わりますが、基本20万kmまでにブッシュやゴム類、ハーネスやセンサー、各種ベアリング類は交換することが望ましい。これが30万kmまで交換しなかった場合、どうなるかと言うと、例えば20万kmでジョイント部のボールベアリングを交換すれば、次の10万kmでもボールベアリングの交換で済むはずですが、30万km無交換で使い続けると、内部のグリスが痩せてベアリングで圧入部分を損傷したり、摩耗が起きたりするなど、機械的な限界により近づいていきます。こうなると本体まで交換になり費用は必然的に高くなってしまう。予算が許すのならば、前見切りの交換がGT‒Rのコンディション維持にはやはり有利なのです」。スカイラインGT-R、メンテナンス、トラブル、ガレージヨシダ、修理、R32、R33、R34

ちなみに、市場のスカイラインGT‒Rに大きな差が生まれた一つの原因は格安車検の存在だ。
以前は、ディーラーで6カ月ごとに念入りに点検が行なわれていたが、格安車検の登場により、ディーラーの敷居も下がり、価格を下げるため、整備内要が触らない、換えない、異常がなかったらOKと車検を通るレベルに簡素化された。これによって、メンテナンスの質が下がり、中古車のレベルの差が生まれたと言えるだろう。

「最近は駆動系の劣化だけでなく、リアメンバーやアームの付け根にクラックが入ったり、金属疲労でスポット溶接が浮いているなど、躯体の中心まで劣化が及んでいる個体もあります。わたしは”好きなだけ乗ってください”とお客さまに話して、仕事をしていますが、そろそろ限界に近づいているかと思います。これからも愛車と付き合っていくためにセカンドカーの購入や乗り方を変えるなどGT-Rライフを考え直してみてほしいですね」。

 

では、過走行でトラブルを減らすための秘訣とは。
次ページでは20万kmと30万kmでチェックしておきたい消耗部位を紹介しよう。

 

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