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冬に夏タイヤの使用は要注意!気温低下でスリップ事故が増加するワケ

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TEXT: 斎藤 聡

冬用タイヤはスタッドレスだけではない

 昨年あたりから、冬用タイヤとしてスタッドレスタイヤ以外にもウインタータイヤとかオールシーズンタイヤと呼ばれるタイヤが発売されはじめ、注目が集まっています。

 一番わかりやすいのは、オールシーズンタイヤでしょう。雪が降ってもそこそこ走れる性能を持っているので「一年中履きっぱなしでOK」というタイヤです。

 

 ウインタータイヤは、広義では冬用タイヤ全般を指し、スタッドレスタイヤも含みます。ここでは便宜的に雪氷に強い順に「スタッドレスタイヤ>ウインタータイヤ>オールシーズンタイヤ>サマータイヤ」と理解しておいてください。

 ウインタータイヤは、スタッドレスタイヤほど氷雪上性能は高くありませんが、オールシーズンタイヤよりも高いタイヤといえます。

 そうはいっても標準装着されているサマータイヤでも「雪が降っていなければ冬も走れるじゃないか」と思われる方も少なくないでしょう。
 雪や雨が降っていなければ、サマータイヤでも日本の冬を走れないことはありません。ただし、タイヤのトレッドゴムは温度によってその柔軟性が大きく左右されます。

ドイツでは気温7度以下で夏タイヤ使用禁止

 最近よく言われるのが“気温7度以下になるとサマータイヤの性能が低下する”という言葉です。これはドイツの道路交通法からきているんです。ドイツでは気温が7度を下回るようになったらウインタータイヤに履き替えることになっています(近年では法律で規制されているようです)。

 サマータイヤのゴムは高温でも剛性や弾力性を備える必要があるため、どうしても低温ではゴムが硬くなってしまうのです。

 ゴムが硬くなって柔軟性が失われると、路面への食いつきが悪くなり、グリップ性能が低下します。路面が乾いていれば、そうは言ってもゴムですからそこそこのグリップ性能は発揮しますが、冷たい雨が降るとてきめんにタイヤが滑りやすくなります。

 すこし専門的に掘り下げて説明すると、タイヤのグリップ性能を構成する要素のうち、ドライ路面では「粘着摩擦」が支配的に効いています。ところが雨が降るとタイヤと路面の間に水が侵入して粘着摩擦が発揮しにくくなります。それに代わって効果を発揮するのが「ヒステリシス摩擦(路面からタイヤを引き剥がす摩擦)」です。

 低温でゴムの柔軟性が低いと…つまりゴムが硬くなりやすいタイヤは、ヒステリシス摩擦も発揮しにくいので、雨で極端にグリップ性能が悪くなるわけです。サマータイヤで冬走るのが危険なのはこれが理由です。

 ならば、そもそも雨や雪でも柔軟性の高いゴムを使えばいいじゃないか、と思われるでしょう。そうするとゴムの柔軟性が災いして高速走行でゴムがぐにゃぐにゃ変形しすぎて操縦安定性が悪くなります。

 そんなわけでその使い方に合わせてゴムの硬さが異なるわけです。

 操縦性に関しては「スタッドレスタイヤ<ウインタータイヤ≒オールシーズンタイヤ<サマータイヤ」となっているわけです。

 オールシーズンタイヤは、サマータイヤ寄りで雪道はエマージェンシー(緊急用)程度の性能。ウインタータイヤはオールシーズンタイヤ寄りからスタッドレスタイヤ寄りまで種類があるので、用途に応じて選ぶのがいいと思います。そして「最も氷雪性能がいい≒0度付近の氷雪性能に優れている」のがスタッドレスタイヤです。

 ひと口に冬用タイヤといってもさまざまな種類や性能があるので、自分がどんな性能を求めているかをはっきりさせたうえで購入するのがいいと思います。

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