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早すぎても遅すぎてもダメ!車検時に交換すべき油脂類とは

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TEXT: 髙山則政  PHOTO: Auto Messe Web編集部

車検を通すだけ点検での液モノ無交換に注意

 最近のクルマは環境保護のためもあって、車検や点検で油脂類(オイルやクーラントなど)の交換頻度は少なくなっている。とはいえ、交換すべきものはあるだろう。ここでは車検時の液モノのメンテナンスについてガイドしよう。

 クルマに使われているオイルやフルードなどの液モノは劣化する。しかも、乗っていなくても変質してくるので、走行距離だけでなく年数に応じた交換が必要だ。

 法定で決められている1年点検や車検は、機能部品の点検や消耗パーツの交換を行う良いタイミング。液モノに関してもディーラーや整備工場から交換を勧められる事が多い。逆に、車検代行や格安車検では、検査基準にパスすれば良くコストが重視されるため、オーナーが望まなければ本来推奨されるパーツや液モノの交換すら行わない場合もある。

 液モノで代表的なエンジンオイルは、国産車の場合はメーカー指定が1万5000kmまたは1年で交換となっている。実際にはもっと早く交換されることが多いので、今回は省略する。

 エンジン周りの交換では、クーラントの交換も重要だ。最近は、ウルトラロングライフ化が進み、新車からの初回交換は走行20万km後あたり。もしくは11年くらい無交換で使えるタイプも普通にある。つまり、車検5回目まで何もしなくて良いのである。

 20~30年前、クーラントは車検ごとの定期交換品だったが、ずいぶんと進化した。つまり、車検毎に交換する必要はなく、減っているようなら専用の補充液を足せばいい(減りが多いのは要修理)。ただ、液量が減ってなくても強化液は入れたほうが良いだろう。

 クーラントは、冬の凍結防止のほか、内部の腐食防止や冷却性能を高めるための消泡剤(泡を消す成分)などが入っている。長期間使うと、これらの性能が落ちてくるので、それを補うサプリが販売されている。もちろん、入れないからといって、すぐに壊れるわけではないが、長く快適に乗りたいなら検討しておきたいものだ。

 なお、一般的なクーラントは2年や4年などと交換時期が早い。ロングライフから交換したときは要注意だ。車検前後でクーラントの色をチェックしておけば、交換されたかチェックできる(点検はエンジンが冷えている時に!)。

トランスミッションのオイル交換時期はまちまち

 次いで交換したいのがトランスミッションのオイル。特に日本ではCVT車が多いが、これはメーカーやモデルによっても対応が違ってくるのでオーナーズマニュアルなども参考にしてほしい。ホンダ車では4万km程度(最短の車種だと2万km)が交換時期の車種もある。車検前で交換指定距離が近くなっていれば、換えたほうが後々に二度手間にならなくて済む。ホンダ車の例は極端だが、交換時期が指定されていないCVT車も5万km以内、こだわるなら2万km程度で換えたほうが調子良く走れる。

 有段式のAT車も、メーカーの交換指定がないことが多いが、5万km以内ごとの交換がオススメだ。だが実はその判断が難しい。非純正のフルードを使ったり、交換作業が不適切だとかえってトラブルになるケースもある。ディーラーやATに詳しいショップでの交換が望ましいだろう。

 マニュアルミッションも特に交換時期の指定がないので、車検に合わせて換える必要はない。だが、金属粉がオイルに混じっているので、長く乗りたいのなら4万kmごとくらいに換えると良い。もちろん、シフトフィールが重くなったなどの自覚症状があれば、車検に限らず早めに換えるべきだろう。

 FR車のディファレンシャルのオイルも同様。一例としてマツダのロードスターのオーナーズマニュアルによると、標準は無交換、シビアコンディションでは6万kmとなっている。

ブレーキフルードは車検ごとに交換

 ブレーキフルードは、新車は3年、継続で2年毎の交換となっているので車検ごとに交換する。これも点検のみの車検だと交換されないことが多いが、確実にやっておきたいところ。ブレーキフルードは吸湿性があり、交換しないと車輪側のブレーキシステムにサビが起きやすくなる。

 現在のクルマで油圧式クラッチのマニュアル車は、ブレーキフルードをクラッチの作動油として使用している。つまり、ブレーキ側のリザーブタンクから分岐させて、クラッチのマスターシリンダーに供給していることが多い。タンク側はブレーキ側のフルード交換で入れ替わる。しかし、クラッチ側は劣化したままなので、10年程度経ったものは交換するといいだろう。

ブレーキパッド裏のグリース切れに注意

 このほかブレーキパッドやライニングのグリースアップも重要だ。ブレーキパッドの取付部には、本来グリースが薄く塗ってあるのだが、2~3年経つと、乾燥したり、洗車時の水流などで洗い流されていることが多い。そのため、車検時くらいになるとパッドの動きが渋くなっていることがある。

 ドラムブレーキではライニング(摩擦材)の取付部のバックプレート部間にグリースが塗ってある。こちらはドラム内部にあるので、流れ落ちることはないが、乾燥したり油膜がなくなっていることがある。油分がなくなったりサビがでているとパーキングブレーキをかけた時にキコキコ音が出たりする。

 認証工場ではブレーキパッドの残量点検で分解するので、この時にパッドやブレーキキャリパーのスライドピン、ドラムブレーキのバックプレート部を点検して必要ならグリースアップをしてもらうといい。しかし、メカニックによって作業の質にばらつきがあり、分解をしてキレイに洗浄したのはいいが、グリースアップをしないで組まれることがある。こうなると、残っていた油分も洗い流すので、作業しないほうがマシということになる。

 最後に、新車を購入した場合は、ほとんどがディーラーでメンテナンスをするので、一定以上(時に過剰な)交換になる。つまり、液モノに関してはある程度安心できる状態と言える。ところが、中古車やコストだけで整備をほとんど行わないスタイルの車検では、オーナー自身も液モノの交換履歴に注意を払うようにしてほしいものである。

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