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ハイドロ仕様のスズキ ジムニー! 他人と違うスタイルを追求して遊び尽くす男

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

公認まで取得した異次元のカスタム文化

 宮城県の白石スキー場で開催された旧車イベント「ミチノクレトロカーズセッション」。近年はカスタムが得意なプロショップの出展も多く、長野県からユーザーと一緒に参加した『カオスレーシング』もそのひとつだ。イベント会場でも異彩を放っていた、代表を務める伊藤 陸サンの愛車を紹介したい。

 自転車競技で国体への出場経験もある伊藤サンは、ケガで引退したものの速さへのコダワリは消えず、また昔からバイクやクルマが好きだったこともあり、当初はサーキット走行などがカーライフの柱だった。現役だった当時は自転車の整備も自ら行なっていたため、いつしか知人のカーショップで勤務するようになり、仕事としての技術や知識を身に付けたという。

 本格的にカスタムの世界に身を投じたのは、とあるハーレー(アメリカのオートバイ)の専門店で働いてから。優れたスキルを持つ外国人スタッフのなかで鍛えられ、20代前半でカオスレーシングを創立。現在は独立から8年目を迎え、国産車や輸入車を問わないカスタムショップとして活動し、20代の若いクルマ好きたちを全力でサポートする。

 そんな伊藤さんがミチノクレトロカーズセッションに持ち込んだのは、メッキパーツを多用したスズキ・ジムニーだ。フレームはジムニーよりも大型なジムニー・シエラ(JB31)だが、上に乗っているボディはジムニー(JA11)の幌車。そこへジムニーの車重ではオーバースペックとも思える、2ポンプ/6バッテリーと呼ばれるハイドロ(油圧)システムをセットし、各地のカーショーで大いに注目を集めている。

 ちなみにハイドロとは”ハイドロリクスサスペンション”と呼び、オイルの力によってサスペンション部分に設けられたたシリンダーが伸縮、車高を上下させる装置のこと。伊藤さんによると「ボディを上下に動かすだけなら2バッテリーで十分ですが、横の動きをクイックにするため現仕様になりました。USDMというアメリカ発祥のカスタムが好きで、サムライ(ジムニーの海外名)を意識して作りました」とのことだ。

 エクステリアを始め各部の作り込みも凄いが、さらに驚くべきは公認車検を取得したこと。イベントが主な活躍の場ではあるものの、クルマ好きならば普段も乗りたい気持ちがある。仕事でカスタムカーを数多く手がけているだけに、公認車検の取得も当然ながら得意中の得意だ。カスタムするならば違法な状態じゃなく、堂々と安心して乗ってほしい。そんな伊藤さんの気持ちがココから感じ取れる。

 なお、エンジンはエキゾーストマニホールド、カルタス純正のビッグスロットルで武装。フライホイールの軽量化も実施し、油圧システムで重くなった車体でもストレスを感じない走りを得た。ホイールはお気に入りのマクリーン。各部にピンストライプでアクセントをプラスした。

 会場には販売車両である希少な三菱・デリカバン(P27V)も展示。タマ数が極めて少ないマニュアル(MT)のガソリン車で、NOX対応なので都内も走行できるという。リフトアップはエンジンマウントの位置を変更し、ブロックやシャックルなどを調整して公認を取得。しかも走行距離5.4万kmのオリジナルペイントという、奇跡のようなコンディションを保つ1台だった。

 さらに、車両を運んできた積載車までレアもの。独特のV型グリルを持つレトロなキャンターは、現在も引き取りや納車で毎日のように使っているという。 いまのクルマやカスタマイズにはない、どこか懐かしくも新鮮に思える伊藤サンの力作たち。昔にタイムスリップしたような、いい意味でカオスな光景であった。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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