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【若者が愛する90年代車両】15年以上の思いが叶って手に入れたファミリアGT-R編

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

長年の夢が叶った憧れのマイナー車

 7月7日(日)に宮城県の白石スキー場で開催された「ミチノクレトロカーズセッション」。1992年までに発売されたクルマを対象としたイベントで、近年は20代を中心に若者の参加も増えている。今回、会場で見つけたレアなマツダ・ファミリアGT-R(BG8Z)。若きオーナーの愛車に対する思いを聞いてみた。

 7回目を迎えたミチノクレトロカーズセッションには、国産車や輸入車を問わず200台オーバーの車両が集結。カスタムを楽しむ人からフルノーマルを維持する人まで、東北地方では最大級のカーミーティングだ。

 イベントを取り仕切る金秀樹さんによると、以前は40代以上の世代が多かったものの、この数年は20代のオーナーが急増。若者のクルマ離れと言われる昨今、しかも自分が生まれる以前のクルマに惚れ込み、多少の苦労を承知でカーライフを楽しむ若者たちが多いというのだ。

 1989年に登場した7代目ファミリアで参加した、山田晃士さん20歳もそのひとり。WRCの参戦でも知られるファミリアGT-Rなのだが、一般的な知名度は決して高いとはいいがたい。なぜハタチの若者がこのクルマを選んだのだろうか。

「最初に見たのは幼稚園児だった頃です。大きなフォグランプやボンネットのダクトなど、とにかく普通のクルマとは違う外観を見て素直にカッコいいと思った記憶がありましたね」とのこと。

 漠然とした憧れを抱いたクルマが、ファミリアGT-Rと知ったのは中学生の頃。誕生のきっかけやファミリアGT-Xとの違いをインターネットで知り、数々の特殊装備や高いポテンシャルにますます惚れ込んだ。そして免許取得後は中古車を根気強く探し続け、2018年9月に現在の愛車と出会う。

 ただでさえ生産台数が少ないうえ、競技で酷使された程度のよくない車両も多かったが走行距離7.4万kmのほぼノーマルコンディション。しかも珍しいサンルーフ付きで、車両価格は60万円だったそうだ。

「このチャンスを逃すワケにはいかない」と即決し、相棒との生活がスタートした。チューニングやカスタマイズは考えておらず、新車で販売されていた当時のスタイルに近付けることがコダワリ。購入後に手を入れたのは使い勝手の向上を目的とした、カーナビとサブウーファーの2点だけでホイールすら純正のまま。ラリー色が強い”OZレーシング”のホイールが純正オプションで存在したらしく、インターネットのオークションなどで地道に探し続けていると話す。スナップオンの工具(ドライバー)を改造したシフトノブも、いずれ純正が見つかったら戻そうと考えているほど、山田さんのオリジナルに対する憧れは強い。

 面白いのは外観で気に入っている点のひとつに挙げた、ボディサイドに貼られたデカール。一見すると純正に思えるが下に剥がした跡があり、以前のオーナーが純正そっくりに作ったのではないかと思われる。そこから「自分の前も愛着を持って乗られていたクルマなんだ」と知り、前オーナーの気持ちを引き継ぎ大切にしようと決意を新たにしたという。

 まもなく山田さんの相棒となって1年。幼いころから憧れた名車とのカーライフはまだまだ続いていく。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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