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クルマのエンジンを制御するコンピュータは劣化する!電機部品が液漏れしている可能性も

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 増田貴広

コンピュータの製廃で修理不能というケースも

 現代車の多くは、なかばコンピュータで動いているようなものだ。これをつかさどっているECUのトラブルは厄介で、症状が出たり出なかったりと気まぐれであったりする。車両診断機をコンピュータにつなぎ、自己診断機能でエラーコードをスキャンしようとしても、コンピュータ自体が壊れてしまうと、そのエラーコードは示されないので、原因の特定が難しいとされる。

 最近は家電製品でもこの手のトラブルが多く、例えば冷蔵庫が冷えなくなって修理を頼むと「コンピュータ基盤が壊れていました。でも、補修部品が製造廃止なので直せません」といった類の話は珍しくない。

 パソコンや家電製品だって10年以上も使えることは稀なのに、高温多湿+絶えず振動にさらされる劣悪な環境にあるクルマのコンピュータ=ECUが、経年劣化でトラブルを起こしても何ら不思議ではない。そして、実際にECUのトラブルは多く、新品に交換しようとしても純正ECUが製造廃止になっているクルマが増えてきている……。

 それではもし、愛車のECUが壊れてしまったら修理を諦めるしかないのだろうか。実はまったく心配はいらないのだ。

 ECUのことはECU専門店に相談すればOKだ。今回は、国内唯一のECU修理専門会社「キャニーエクイップ」を取材し、ECUトラブルの現状や原因、そして点検やリフレッシュ、修理について伺ってみた。まずは、どのような症状が出たときにECUが壊れた可能性があるのかを、湯浅竣介代表に聞いてみた。

「よくある例は、セルは回るのにエンジンがかからないとかエンジンストールですね。それから、ハンチング・ラフアイドルといったアイドリングの不安定。AT車ならギアが2速、3速に固定されたり変速時にもたつくなどの変速不良。O/D(オーバードライブ)ランプ点滅やエンジンチェックランプ不灯(キーON時)などがあります。こうなると車検も通らなくなります。一例ですがご依頼の多い第二世代の(日産BNR32、BCNR33、BNR34)スカイラインGT-Rでいえば、エアコンのコンプレッサーのマグネットスイッチが入らないというのもECU起因のトラブルであります。また、パワートランジスター(点火系統)に点火の指示を出す部分が壊れて、点火コイルがパンクする場合があり、これもECUが原因です」と語る。

 では具体的にECUが壊れるというのはどういうことなのか? そして修理の内容について伺ってみた。

「ECUの内部には、電解コンデンサという部品があり、この電解コンデンサが経年劣化で液漏れを起こし、その漏れ出した電解液が基板やほかの電子部品を腐食し、プリント回路にダメージを与えたり、基板上のICやトランジスタ、ダイオードなどまでやられてしまうことがECU故障の大きな原因です。修理の際は、その寿命が来た電解コンデンサを新品に交換し、電解液がついた基盤を洗浄、メッキ処理を行い、損傷を受けた基盤を復元、ハンダのクラックなどの点検、劣化補修などを行います」

「国産車のECUでいえば、最近はボッシュ製が増えてきましたが、ひと昔前のクルマだと、トヨタ系はデンソー製、日産は日立製、三菱などは三菱電機製のECUを採用していて、同じ年式のクルマでも、日立のECUの部品より、デンソー、三菱電機のECUの部品の方が、耐久性が劣る傾向があります」

「その他、エンジンから漏れたオイルがハーネスを伝ってECUまで垂れてきたり、ダッシュボードの上にこぼしたコーヒーや飲み物が、ECUにかかってしまったり、雨漏りでフロアに溜まった水にECUが浸かってしまったといった例もいくつかあります」と湯浅代表。

 コンピュータは“ブラックボックス”といわれる通り、中身が見えづらく、エンジンその他にトラブルが出たときにも、その症状の原因がコンピュータにあることを見極めるのも難しい。

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