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車いすに乗る人も運転を可能に! トヨタとホンダのサポート用アイテムや福祉車両

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe web編集部/青山義明

障がい者の「運転したい」に応える装備

 車いすでの生活を余儀なくされた人のなかにはクルマやバイク好きが多く、障がいを持っていても運転したいとの意欲が強い人もいるだろう。

 その手助けとなるのが、自ら運転することのできる福祉車両や後付けのサポートシステム。国際福祉機器展では、そんな彼らの夢を叶えるさまざまな提案が行なわれていた。

ホンダの運転補助装置”テックマチック”

 ホンダは、初代NSXの時代から障がい者が運転できる操作手段を提供。レース中の事故で下半身不随となった元F1レーサーのクレイ・レガッツォーニのテレビCMまで放映したことがある。

 元2輪ロードレース世界選手権(WGP)のライダーで、転倒により下半身不随となった青木琢磨も、巧みにクルマを操り、日常生活はもちろん、4輪レーサーとしてパリ~ダカール・ラリーに参戦。今夏の鈴鹿8時間耐久ロードレースの企画として、21年ぶりにバイクで鈴鹿サーキットをデモ走行し、2輪への復帰に意欲を見せた。

 このように、障害を持っていても自ら運転を楽しみ、また社会へ出ようとしている人がある。ホンダは、国内メーカーで唯一、自社で運転補助を行う器具を開発しており、これを「テックマチック・システム」と呼ぶ。

 現在はフィットのみへの対応となっているが、片手が不自由な人向け/右足が不自由な人向け/そして、両足が不自由な人向けの3種類が設定されている。

 日本全国のホンダカーズ販売店で、それら装置を取り付けることができる。基本的には新車購入の際の注文となるが、現行車種に限り、車両購入後に事故などで不自由になった人の相談にものってくれるようだ(中古車購入への対応は行っていない)。

 ただし、現在フィットはモデルチェンジ時期を迎えており、現行車での注文は受けられず、新車が登場すれば再開できる予定だという。

 手だけ、あるいは足だけなどで、運転操作を行うとはどのような感覚であるのか。ホンダのテストコースで試したことがある。少なくとも手だけでの運転は案外やりやすかった。

 また、両足のみでの運転も、少し練習をして慣れてくれば乗りこなせなくはない。1~2日練習すれば、自分で運転できるようになるのではないか。

 かつてクレイ・レガッツォーニも、足を使わない手だけの運転はかえって楽だと言っていた。そしてイタリアでは、障害者のためのドライビングスクールを開催しているとも語った。

車いすの積載が楽なトヨタのウェルキャリー

 トヨタの福祉車両の中で、「フレンドマチック取付用専用車」は障がい者の運転をサポートする装備を設けている。なかでも注目なのは、運転席に乗車したあと、乗ってきた車いすを屋根の上のボックスに収納できるウェルキャリーだ。 これまでは、運転席に乗車後、座席の背もたれを後ろへ傾けながら、腕力で車いすを車内へ持ち込む必要があった。介助する人が居れば、後席などへ車いすを載せてもらうことはできるが、一人で出掛けたときは、自分で何とかするしかない。非力な人には難しい積み込み方だ。

 ウェルキャリーを屋根に取り付ければ、リモートコントロールスイッチの操作により、電動で車いすを屋根の高さへ持ち上げ、収納ケースに収めることができる。もちろん、車いすを持ち上げる際に車体に傷つけることのないよう、車体側にプロテクターが設けられている。

 車両へウェルキャリーを取り付ける際には、使っている車いすにあわせて、作動の調整が必要だ。現在、プリウスとアクアに設定されている。

 ちなみにトヨタの場合、アクセルやブレーキ、ステアリングなど運転操作に必要な器具は、専門メーカーの物を個別に装着することになり、トヨタでは扱っていない。

 障がい者雇用の推進が社会的に進められているなか、自分一人でクルマを運転して仕事場や友人宅などへ出掛けることができるようになれば、障害を持つ人が生活を自立できることにつながる。

 それは、生きる意欲をより高めることにもなるだろう。障がい者の社会進出を後押しする福祉車両は、自動車メーカーの努力によって徐々に拡充されてきている。

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