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「夜間走行はロービーム? ハイビーム?」 本当に正しいヘッドライトの使い方

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TEXT: 山本晋也  PHOTO: Auto Messe Web編集部

歩行者が犠牲になる死亡事故は夜間に多発

 「ヘッドライトはハイビームが基本」であるが、それに反対する意見も多い。しかし、それは果たして正しいのだろうか。じつは、可能な限りハイビームを使うのが正しいのである。

 警察庁の統計によると、死亡事故は暗くなると増える傾向。とくに午後5時~7時の薄暮時間帯は明らかに事故が増える傾向にある。また、この時間帯では自動車と歩行者の死亡事故が圧倒的に増える(約4倍)になることも知られるところだ。なお、昼間の死亡事故では自動車と歩行者によるものは20%程度だが、薄暮時間帯は53%と半数以上になり、夜間でも45%と死亡事故の半分近くを占める。

 その原因として考えられるのは「視界が狭くなっている」こと。たとえば信号のない横断歩道といったシチュエーション、昼間であれば渡ろうとしている歩行者を早めに認識できるが、暗くなってくると歩道のあたりまで目が届きづらくなる。そのため気付くのが遅れてしまう。つまり、早めに歩行者を認識することができれば死亡事故の低減につながることが期待できるのだ。

ハイビームの積極的な利用で早めに気付く

 そのためには、ヘッドライトの使い方とマナーが重要。対向車や歩行者がいるときにはロービーム(すれ違い灯)とするのは基本だが、誰もいないと感じたらすぐにハイビームにして遠くまで照らすことで歩行者に早めに気付くことができる。ただし、歩行者を認識したらロービームとして眩惑しないようにする必要はある。もちろん対向車を認識したときもすぐにロービームにすることは基本だ

 ハイビームは高速道路で役立つと思いがちだが、市街地でも有効だ。住宅街などで歩道と車道がわかれていない道では、歩行者が車道を歩いていることもある。夜間では酒に酔ってしまっている歩行者が車道の真ん中を歩いたり、寝ていたりするようなこともあるだろう。そうしたケースでも早めに気付くことは重要。試してみると実感できるが、誰も歩いていないような夜間の住宅街こそハイビームで走ると遠くまで見渡せ、歩行者にとっても早めに気付かせることができる。

 とはいえ、ハイビームとロービームを頻繁かつ適切に切り替えて使うのは面倒。そのため対向車などがいない状態でも常にロービームを使っているドライバーが多い。最近ではカメラによってロービームとハイビームを自動的に切り替える運転支援機能がついているクルマが増えてきている。そうした機能を積極的に使いたい。

 もっとも、切り替えのタイミングにはまだまだ満足できるレベルでないこともあるので、クルマによって利用頻度というのも変わってくるだろう。もちろん対向車に迷惑をかけるのはよくないが、それでもハイビームによって早めに歩行者や自転車を認識して事故を減らすことのほうが重要だし、価値があるといえる。

2020年4月以降の新型車にオートライト義務化

 安全のためには、可能な限り視界を広げることは正義だ。その意味では、車両や歩行者を認識して、適切な範囲を照射する「アダプティブヘッドライト」などと呼ばれる先進デバイスの普及が進んでいる。照射範囲の制御にはLEDのセグメントの切り替えやブレードミラーの回転、シェードによる遮光など様々な方式があるが、適切な範囲を照らそうという狙いは同じ。技術的には生まれたばかりで改良の余地が大いにあることは自動車メーカーも認めるところだろうが、その本質的な価値をユーザー自身が認めることが普及につながるだろう。

 もっとも、ハイビーム、ロービームの選択という問題以前に、適切なタイミングでヘッドライトを点灯することが大切。その点においては2020年4月以降の新型車にオートライトが義務化されることで段階的に改善されることはご存知の通りだろう。オートライトやアダプティブヘッドライトの進化によって夜間の死亡事故が減ることを期待したい。

【詳しくはこちら】
警察庁ホームページ:薄暮時間帯における交通事故防止

https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/hakubo.html

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