バランスの良さとトルクフルな走りを両立
福岡県に本拠を持つMSソリューションズが展開する電動バイクを専門に取り扱う「XEAM（ジーム）」は、3月9日から電動バイクメーカーである「ZERO MOTORCYCLES（ゼロ・モーターサイクルズ）」のスポーツモデル「SR/F」の取り扱い開始。大型自動二輪扱いとなり価格は330万円（税込）。
ゼロ・モーターサイクルズは、2006年に創業した、アメリカ・カリフォルニアが本拠となる電動バイクメーカーだ。スポーツモデル「SR/F」は、電動バイクでは珍しい大型バイク（最高出力20kW以上）となる。最高出力は82kW（110PS）、最大トルクは190N・m（140ft-lbs）、最高速度は200km/hというスペックを見てもわかる通り、ガソリン車の600ccクラスのスーパースポーツモデルとそん色のない出力を持つ。
14.4kWhもの容量を持つリチウムイオンバッテリーを搭載。三菱の電気自動車「i-MiEV」のバッテリー搭載量が16kWhであったことを考えると、いかに大容量タイプなのかわかるだろう。ちなみ「SR/F」の車両重量はわずか220kgである。
バッテリーパックをトラス構造のフレームで抱え込み、その後方にモーターを配し、ベルトを介してダイレクト駆動する。ちなみにモーターの出力軸と同軸上にスイングアームのピボットがあるコアキシャル（同軸）スイングアームとなっている。
フロントに43mm径のショーワ製倒立サスペンション、リアに別体タンクつき減衰調整式のモノショックを搭載。ボッシュ製のスタビリティコントロールシステム（MSC）も採用する。ブレーキは、スペインのJ-Juan製キャリパーだ。タイヤ（ピレリDiablo Rosso III）は、フロントは120/70-17サイズ、リアが180/55-17サイズを装着する。
走行モードは、「エコ」、「ストリート」、「スポーツ」、「レイン」を設定。通常高出力モードは回生ブレーキも強くかかるようになるのが一般的だが、「SR/F」はフルパワーを発揮する「スポーツ」モードは回生ブレーキをほとんど使用しない。サーキット走行などでは、回生ブレーキでの減速がかえってが邪魔な場合が多いが、そのあたりの使い勝手も良好というわけ。逆に「エコ」モードは回生ブレーキが強く効き、市街地などで選択に有効だ。
航続距離は市街地レンジで259km（高速レンジで159km）。充電時間は4.5時間（100V電源では8.5時間）となる。車両には3kWの充電器が搭載されており、国内各所に設置されている普通充電器のプラグで充電が可能だ。
走行は実に簡単で、変速機を持たないので、クラッチレバーもシフトペダルもない。操作はアクセル操作のみでインバータ音とともに激しい加速を見せる、非常に乗りやすいマシンだ。コーナーで倒し込んでも、振っても安心感のある非常にバランスの良さを感じる一台であった。
カラーラインアップはレッドとグレーの2色で展開となる。車両区分は大型自動二輪である（車検は免除）ので、大型二輪免許が必要となる。価格は330万円（税込）。ちなみにXEAMでは試乗会やレンタルも福岡県で開催の予定だという。
