車速パルスを用いない弱点もある
しかし、デメリットがあることも知っておきたい。スマホ連携で使えるナビ機能は従来型ナビに比べて機能面で劣るのだ。自車位置測位は基本的にスマホ側のGPSで行なうため、車速パルスや車載ジャイロセンサーを組み合わせた従来型ナビには及ばない。
一応、トンネルなどGPS信号受信できないときは、推測(自律)航法とも言えるデッドレコニングに対応しているものの、特にビルが多い都市部での不安定さは否めない。ルート案内の品質も従来型ナビ比べて劣るだろう。個人的にはこの2点がスマホと組み合わせて使う上での最も大きな弱点と考えている。 また、今回のトヨタが標準装備するDAで言えば、CDやDVDが再生できるディスクドライブが装備されておらず、TVチューナーはオプションであることも知っておきたい。
「スマホさえ楽しめれば十分」ならばいいが、まだまだCDを聞く人も多く、このスペックにガッカリする人も多いと思われる。さらにスマホと組み合わせる上では車内での置き場所にも注意しておく必要がある。特にダッシュボード上に置いて使うことは止めるべき。スマホは耐熱性が低く、夏場はスマホの破損や熱暴走の原因ともなりかねない。 とはいえ、時代の流れとしてDA化は躊躇なく進んでいくはず。グローバルでは既にその流れが当たり前となっており、海外でレンタカーを借りればほぼ「Apple CarPlay」「Android Auto」をナビ機能を使うことが求められる。
現状では車載側とのリンクがないために思うような性能が出せないでいるが、その意味ではトヨタが進めるSDLへの期待度は高い。現状では対応できるアプリは少ないものの、その中でもLINEがメッセージやナビ機能で対応している。今後は参入するアプリが車載側と上手にリンクしていくことで、より満足度の高いナビ機能が実現していく可能性は十分にあると見ていいだろう