認知度が低いクルマの「蝶の標識」! 大切なその意味とは (2/2ページ)

聴覚障害を知らせる重要なマーク

 その昔、聴覚障がい者は自動車免許が交付されませんでした。昔といっても1973年までの話ですから40年少し前までのことになります。これがかなったのも1960年代から始まり約10年にも渡った、聴覚障がい者への運転免許獲得運動が行われたからにほかなりません。

 1973年当時は補聴器を装着することで、聴覚を補助することを条件に普通免許が交付されましたが、現在はかなり緩和されています。現在、聴覚障がい者が取得できる運転免許は多岐にわたります。

 補聴器を使って、一定の基準の聴力を確保できればすべての車種の運転が可能です。第一種免許だけでなく、第二種免許についても運転することができます。また、二輪車すべて(原付を含む)と小型特殊については補聴器を使わずに運転することができます。

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クルマに貼られている蝶のデザインのステッカーは「聴覚障害者標識」画像はこちら

 また、普通車と準中型車の第一種免許については条件をクリアすれば補聴器を使わずに運転が可能になっています。その条件が「聴覚障害者標識」の提示と、特定後写鏡の取り付けです。

クルマに貼られている蝶のデザインのステッカーは「聴覚障害者標識」画像はこちら

 特定後写鏡というのは乗用車の場合はルーミラーに取り付けるワイドミラー、貨物車の場合はドアミラーなどに取り付ける凸型の補助ミラーのことです。この「聴覚障害者標識」の提示と、特定後写鏡の取り付けを行えば、補聴器を使わずとも運転が可能。つまり、まったく耳の聞こえない人でも運転が可能となります。

クルマに貼られている蝶のデザインのステッカーは「聴覚障害者標識」画像はこちら 補聴器を使えば音が聞こえるのだったら、補聴器をつければいい……と思う人もいるかも知れませんが、補聴器をつけたからといって健常者と同じように音が聞こえるとは限らず、ハウリングにより集中力が落ちる場合や、雑音が増えてしまうこともあります。クルマの走行中はさまざまな雑音が発生しますので、補聴器を使うことによってかえって周囲の状況が分かりづらくなることもあるわけです。

「聴覚障害者標識」の出番は?

 ただし、周囲で運転をしている人はそのままでは聴覚障がい者運転しているかどうか? を見分けることができません。そこで必要なのが「聴覚障害者標識」の提示というわけです。

 蝶のマークのステッカーが提示されていたら、運転している人は音には反応できないので、周囲の人が注意して運転する必要があるというわけです。逆にそういう状態(音が聞こえない)で運転していることをきちんと周囲に知らせないと危険ですので、「聴覚障害者標識」の提示を怠ると、反則金が4000円、行政処分の点数が1点となります。

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