デフロックが過去の遺物となるのはもうすぐ
当初デフロックはメカニカルな構造を持つシンプルな物だったが、フルタイム4WD の普及と共にさまざまな電子制御方式が登場。最近ではデフロックを装備せず、デファレンシャルの機能を活かすカタチで、空転する車輪にブレーキを掛けてしまう統合電子制御でデフロックと同様な機能を果たす仕組みが広く普及している。 クロカン4WDの代表格であるスズキジムニーに標準装備されているのも“ブレーキLSDトラクションコントロール”だ。トランスファーレバーで4L(4輪駆動の低速)を選択すれば、空転する片輪にブレーキ制御が自動介入してもう一方の車輪に駆動力を発生させることでスタック状態から脱出できる。
こうしたブレーキ等の介入制御はますます進化し、より多くの事が統合制御されるようになる。結果的にドライバーはデフロックの存在や意味、そして操作方法等一切に頓着する必要は無くなってくるだろう。 ましてやハイブリッドやEVの市場ボリュームが膨らむと、モーター駆動制御を組み合わせた4WDも普通になるだろう。さらに言うとインホイールモーターを活用した4輪独立駆動のモーター制御であれば、もはやデフロック、少なくともメカニカルな装置は不要となる。
同時にドライバーがコントロールに介入(意識)する機会はどんどん縮小されて、各車輪が個々に常に最適なトルク制御で安定して効率の良い駆動力が発揮され、どんな状況下でもスイスイと走れるようになることは間違いない。
そうなったときは “デフロック”は過去の物になってしまうことだろう。