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使わずともドコでも普通に走れるけどいつ使う? 本格4WD車についている「デフロック」とは

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TEXT: 近田 茂  PHOTO: Auto Messe Web編集部,NISSAN

デフロックは悪路走行時の最終兵器

 人気のSUVのなかでもクロカン系と呼ばれるオフロードにおける悪路走破性能の高いモデルには、LOCKとかHi・Loと表記されたセレクターがある。そのなかでもLoとLOCKは、過酷なオフロードでの走破性能を高めるために駆動力を最大限に路面へと伝達するモードだ。今回はちょっとマニアックだが、万一のときに絶対に役立つ知識として紹介しよう。

4WD操作スイッチにある”H”の意味は?

 半分笑い話だが、助手席の女性が興味津々に人指し指を近づけながら「この“H”のスイッチは何なの?」と尋ねた。すると運転席の彼は笑いながら「Hじゃないよ、“デフロック”だよ! これを押すとね、どんな所でも走れるようになるんだ」と回答。(彼女が指で指す“H”は4WDのデフロックを意味する図案化表示だった)

 メーターに点灯表示された4L(超低速4輪駆動の意味)/LOCK のランプを見せながら意気揚々と発進。得意気にハンドルを切って出ようとすると、なんとクルマは突然苦しそうにギクシャクして動かなくなってしまう。予期せぬ出来事にしたり顔の彼も大慌て、冷や汗ものの事態に…という恥ずかしいオチまでついてくる。

 じつはこんな顛末、デフロック付きのクルマに乗っている人が、舗装路でLOCKにしたときの “アルアル”なお話なのである。彼が言った「どんな所でも走れるようになる」という発言は決して嘘じゃない。でもその使い方が間違っていたのだ。

スタックからの脱出時に実力を発揮する

 そもそもデフロックは通常舗装路で使うものではないし使う必要もない。日本で普通に道路を走っている限り、おそらく、それを使うチャンスは全く訪れないと言っても過言ではない。 本来デフロックはクルマがスタック(車輪がスリップして立ち往生する事)からの脱出やそんなリスクを防ぐために使う装置で、滑りやすい泥濘路や起伏の激しい特殊な状況下でのみ使用する。少なくともタイヤのグリップが安定的に得られる舗装路の通常走行では使用しない。

 また砂地や泥濘(ぬかるみ)、積雪等に足をとられる等の特殊なシーンで効果的にそれを使う場合でも、走る速度はせいぜい小走りぐらい、10km/h未満レベルで、ソロリソロリとクルマや乗員をいたわりながら進むと理解しておくのが正解なのである。
 
使用するときは、セレクターレバーやスイッチ操作でOK。停車時に扱うのが基本だが、走りながらON/OFFできるクルマもあった。

 ちなみにデフロックとは、デファレンシャル(差動装置)の働きを固定して左右輪やフルタイム4WD車の前後輪を一時的に直結状態にする装置なのだ。ヘビーデューティーなオフロード車には、フロント、センター、リヤのそれぞれにデフロックを装備するケースもある。

  詳細なメカ解説はここでは割愛するが、一般的なデフは片輪がスリップするとタイヤは虚しく空転するのみで動けなくなってしまう。車輪の差動を許容してくれるデファレンシャルは、クルマにスムーズな旋回性をもたらす必要不可欠なアイテムだが、片輪が浮いて(接地荷重が抜けて)しまうと他方には駆動力が伝わらなくなる欠点がある。

 たとえフルタイム4WD車でも、片輪が泥濘地にはまったり持ち上がってしまうと、タイヤが空転して意外と意気地なく身動きできなくなってしまうケースはある。そんな時にデフロックを使えば、接地しているほかのタイヤの駆動力を使って脱出可能になると言うわけだ。

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