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いまバブルの申し子が隠れた人気! 「新シーマ現象」で初代の中古価格が上昇中

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TEXT: 岩田部屋  PHOTO: Auto Messe Web編集部

好条件が揃っていれば300万円近い値が付く個体も!

 30年近く前のモデルであるY31系シーマだから中古車もあまり出回っていないかと思いきや、当時大ヒットしたクルマだけあって意外とタマ数は多い。中古車市場の平均相場は、70万円~300万円と幅が非常に広い(筆者調べ)。

 中古車のセオリー通り、走行距離が少なめで内・外装の状態が良い、記録簿が残っていて整備履歴がしっかりしている個体ほど高値になってくる。さらにグレードがターボエンジン&エアサスを装備したタイプll系、ボディカラーが人気色(パールホワイトやブラック)、希少なオプション(前述のホワイトバージョン、リップスポイラーやマッドガードなどの純正エアロパーツ)が付いていれば値段がますます上がる。

 走行距離が少ないことは大きな魅力。その一方で多少走行距離が多くても、定期的に整備・点検を行っていた個体なら安心感が高いという専門家の意見もある。また程度の良さをウリとしていても外装はヤレている……という個体もあるため、やはり中古車サイトの写真だけで判断するのではなく、できればお店に出向いて現車を隅々までチェックしたいところ。

 まず外装で見るべきポイントはドア。シーマはなぜかドアにポツポツと浮きサビが出ている個体が多く、特にフロントのドアに出やすい傾向にある。意外と目立つので、できれば板金処理でキレイに仕上げたい。また保管状況が悪いと、メッキパーツの劣化が進んでいることもある。すでにもう新品で買えない部品もあるため、外装をレストアするとしたら中古品に頼るケースも出てくるだろう。

 機関においては30年前のクルマなので仕方ないが、ヤレている箇所が多いので注意が必要。エンジンはVG系に多いヘッド付近から、「カタカタ……」というタペット音が出ていないか。またヘッドカバーやオイルパン、エンジンとミッションの繋ぎ目などからオイル漏れ・滲みがないかをチェックしたい。

 足まわりに関してはY31系シーマでは一番人気が高いのがエアサスだが、年式を考えるとエアバッグが劣化している個体が多い。エアサスを新品に交換した履歴がある個体もごく稀に出回っているが、そうでない場合はいずれエアが漏れて車体が傾くなどのトラブルが出るかもしれない。もし不安ならタイプll-Sや後半に追加されたタイプLセレクションなど、バネサスのグレードを選ぶのもひとつの手である。

 内装で最も劣化しやすい部分は、エアコンの吹き出し口。熱の影響で溶けてグニャグニャになることが多い。これはまだ新品で購入できるが、内装色によってはすでに部品の製造を廃止している。そのため自車の内装に近い色合いの缶スプレー(染めQなど)で塗装して使っているオーナーもいる。

 またオプションの本革シートは、高い確率でヒビが入っている(特に運転席の座面)。しかしステータス性が高い装備だから、劣化していても十分魅力がある。もしヒビが気になるなら専門業者にリペアを依頼して、本来のコンディションに近付けたい。ステータス製の高さで言えば、マルチAVシステムも故障しやすい装備である。しかし「動かなくてもマルチが付いているだけで良い」という愛好家もおり、これを直すか直さないかはオーナー次第だろう。

 他の80年代のクルマと同様に、壊れたら直す覚悟じゃないと維持できないY31系シーマ。しかし日産の技術を結集して作られた、昭和後期を代表する高級セダン。乗ったらハマることは間違いない。

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