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「D.A.D」「DUB」「ツイン日の丸」! カスタムカーの窓に見かけるステッカーは一体何もの?

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TEXT: 佐藤知範  PHOTO: Auto Messe Web編集部

アメ車カスタムで有名だった【DUB】

 ギラリと輝く大口径ホイールを履いたアメ車のカスタムカー。ボディにはアーティスティックなペイントが入っていたり、メッキのグリルやバンパーが付いているかもしれない。かつてそんなクルマによく貼られていたのが、「DUB(ダブ)」のステッカーだ。このロゴはアメリカの「DUB MAGAZINE(ダブマガジン)」に由来する。

 DUB MAGAZINEは2000年に創刊されたカスタムカルチャー雑誌。最近はあまり耳にしなくなったが、カスタマイズのジャンルのひとつに「ラグジー(ラグジュアリー)」というものがある。大口径ホイール、凝りに凝ったカスタムペイント、ゴージャスなインテリア、派手に作り込まれたオーディオなど。

 DUB MAGAZINEはそうしたクルマやそのオーナーたち(ミュージシャンやスポーツ選手など有名人も多数)を次々と紹介して人気を博した、ラグジー雑誌の草分けだ。「DUB」はヒップホップ系のスラングで、数字の「20」という意味があるそう。この雑誌で取り上げられるようなクルマは、20インチかそれ以上のホイールを履いているから「DUB MAGAZINE」というタイトルになったらしい。今でこそ20インチは特別なサイズではなくなったが、創刊時は現在の22インチ以上の感覚だったかも知れない。

 日本でも2000年代に「ラグジー系」が盛り上がった時期があり、そのお手本たるDUB MAGAZINEを意識してカスタムを楽しんだり、憧れた人がDUBステッカーを貼っていたと思われる。だが正直、筆者はその辺の事情をあまりよく知らない。そこでラグ系に詳しい編集者に電話で話を聞いてみた。

 「DUBステッカー? あぁ、よく見たよね〜。クォーターガラスに貼っている人も多かったかな。だけどラグジー系のクルマだけじゃなく、普通のミニバンや軽自動車にも貼ってたりとか、ノリで使う人も多かったんじゃないかな。むしろ本気でアメ車をカスタムしている人たちは貼ってなかった気がする(笑)」。

 「DUBマガジンも今はWEB主体になってあまり見なくなったなぁ。あと昔よく見掛けたステッカーといえばプレイボーイ。パチモノっぽいデザインもいっぱいあって面白かったよね。それとAPPIのステッカーも多かった。東北にあるスキー場なんだけど、それを貼るのがステータスでさぁ、ゴニョゴニョ…(話が脱線してきたので略)」と、少々昔話に付き合うことになった。

四駆のクルマに多かった?【酒POWER】

 古くからのジムニーファンならきっとみんな知っている。たとえジムニーに興味がなくても「見たことある!」という人も多いに違いない。それがこの「酒POWER」ステッカーだ。初見の人は驚き戸惑うだろう。まさか酒(アルコール)でエンジンを動かしているのか、あるいは一風変わった日本酒ブランドのステッカーなのか。酒とクルマ、混ぜてはいけない予感がする2つの要素を果敢にミックスした、不思議な勢いを感じるこのステッカーは一体なんなのだろう? と。

 ネタ元というか製作元は、ジムニー専門店の老舗として知られる神奈川県のAPIO(アピオ)。なぜ酒POWERなのかを知るには、アピオ社長・河野サンのブログに書かれた以下の文章を読むのが手っ取り早い。なお、文中に出てくる「尾上氏」はアピオ創設者であり現会長の尾上茂サンのことだ。

「1984年7月のある日、尾上氏の友人で、アメリカではちょっと凄腕のオフロードレーサー、ヘンリー・シンプソン氏が日本へやってきた。尾上氏率いるノリノリ軍団による熱烈大歓迎パーティが連日連夜開催されたのである。宴もたけなわのある夜、シンプソン氏が尾上氏に尋ねてみた。あんたのマシンはどうしてそんなにパワーがでるのか? そこで尾上氏は、そいつはな、この酒のせいだ!と。そこで納得したシンプソン氏はすかさず、おおミスターサケパワーと叫んだのあった。これが栄光の“酒パワー”ブランドの事の起こりであり、これ以降世界中の『4駆飲み』に愛されているのである。警告!飲酒運転は日本の法律で禁止されています」。

 ということで、日本酒が大好きな尾上会長が勢いで作ったステッカーだったのである。気になったので当時のことを尾上さんに聞いてみた。

 「シンプソンが『You are Mr.SAKE POWER!』と騒いでいたのはよく覚えてます(笑)。彼自身はあまり酒は飲まないタイプだったんですけどね。その場にはデザインをやっている仲間もいて、面白いからステッカーにしようということになった。色や形はサントリーウイスキーのキャラをヒントにしました。『酒』は漢字ですが、この文字は海外でもアルコール類のことだって知られているみたいで、きちんとジョークとして通じるんですよ」と尾上さん。

「オーストラリアとか海外のレースに出かけていくと、エントリー車両になぜか輸出した覚えのない酒POWERステッカーが貼られているんです。どうやらハワイで勝手に作っている業者がいたみたいで、みんな偽物とは知らずに貼っている。面倒なので放っておいてますけどね(笑)」。

ドレスアップユーザーの心を掴んだ【D.A.D】

 リアガラスに貼られたインパクト大のロゴマーク「D.A.D」。貼っている車種はさまざまだが、特にミニバンやワゴン、軽自動車が目立ち、ローダウン系のカスタマイズをしたクルマもよく見られる。やはり若者のクルマ保有率が関係しているのか、都市部から少し離れたエリアのクルマに多く貼ってある印象だ。

 「D.A.D」とは、カーアクセサリーメーカー「ギャルソン」のメインブランドだ。ドレスアップ用品全般を手がけているが、特にインテリア系のラインナップが豊富。ルームミラー、ステアリングカバー、フレグランス、テーブル類あたりはかなりチカラが入っており、ドレスアップ業界では知らぬ者はいないレベルの人気を誇る。東京オートサロンや大阪オートメッセといったカーショーでは、全身クリスタル仕様のベンツを出展していることもあって、それでD.A.Dを知っているという人も多いかも知れない。

 ちなみにD.A.Dはファンの間では「デー・アー・デー」と発音されることもあったり、「ディー・エー・ディー」だったり、なかには「ダッド」と呼んでいる人もいる。正式にはどれが正解なのだろうか? ギャルソン事業部・広報開発課に聞いてみた。

 「アルファベットを1文字ずつ普通に読んで『ディー・エー・ディー』です。以前は確かにドイツ語の発音で『デー・アー・デー』と呼ばれることも多かったのですが、現在はお客様が混乱しないよう、もっとも一般的な読み方を公式見解にしています。D.A.Dは弊社代表の名前を入れてネーミングしています」。

 ブランドの設立は2002年12月。それより前は「ギャルソン」がブランド名の役割を果たしており、ステッカーも「GARSON」のロゴがメインだった。しかしD.A.Dが浸透するにつれ、そちらが前面に押し出されるようになり、ステッカーやエンブレム、その他の各商品につけられるタグやロゴもD.A.Dに変わっていった。

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